旧浦上天主堂の被爆遺物 十字架上のキリスト再現 長崎・浦上教会、展示室新装 天使像は初公開 

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「十字架上のキリスト」などが展示されたコーナー=長崎市、浦上教会信徒会館

 長崎市本尾町のカトリック浦上教会信徒会館の原爆遺物展示室が1日、リニューアルオープンした。被爆時に旧浦上天主堂に掲げられていた十字架上のキリストを再現したほか、石像の天使像を初公開。原爆のむごさを伝え、平和を発信する場所として新たにスタートした。
 旧天主堂の正面入り口に設置されていた十字架上のキリストは、原爆で激しく損傷。キリスト像を十字架から切り離し、資料室で保管していた。今回、被爆時のキリスト像を鋼鉄製の十字架に固定し、できる限り当初の形に近づけて再現。同教会の久志利津男主任司祭は「残骸の中から涙ながらに集めた当時の信徒の気持ちが伝われば」と話す。
 天使像は旧天主堂の外壁に取り付けられていたとみられ高さ約14センチ、幅約12センチ。長崎に原爆を投下した米軍のB29爆撃機ボックスカーの乗員の一人が浦上教会に返還した後、一般公開はしていなかった。このほか信徒が寄贈した被爆遺物など計約75点を展示。展示物には日本語、英語、韓国語で説明文も付けた。
 リニューアルは、来館者に効果的に過去を伝え、記憶を語り継ぐ場にしようと被爆75周年に合わせて実施。オープニング式典でカトリック長崎大司教区の髙見三明大司教は「展示物を見ることで原爆の悲惨さを思い出すのと同時に、平和のために何ができるか考えてほしい」と話した。