<レスリング>【2020年西日本学生選手権・特集】一歩踏み出したレスリング界、「対策をしつつ、大会実施を」…西日本学連・福田耕治会長

体育館の窓を開放して行われた西日本学生選手権

 新潟市での全国高校選抜大会、東京での全日本大学グレコローマン選手権に続き、活動再開から3大会目の主要大会となった西日本学生選手権。無観客、入場の際の健康チェック、レフェリーのフェイスシールド、相手セコンドとの握手なし等、これまでの大会を踏襲し、感染防止対策には万全を期しての大会。

 高校生と違って試合後には繁華街へ行きたくもなるだろうが、それも禁止。各日の終了時には各大学の監督を集めて反省会をし、翌日の感染防止に役立てるなど、クラスター(集団発生)を防止する、という強い姿勢で臨んだ。

 大阪では翌週も全日本大学選手権が予定されており(7~8日、門真市)、12月には西日本学生秋季リーグ戦を予定している。西日本学生連盟の福田耕治会長は「レスリングの競技性を考えた場合、感染の恐れがあるからとして大会をやらないのは、競技を否定することになる。いかにコロナに適応し、大会を開催していくかが課題となる」と話し、感染者を出さないことに全力を尽くしつつ、このあとの大会は予定通り実施することを強調した。

150畳分のスペースの換気と殺菌ができる扇風機を館内に4台設置した

 相手との接触があるコンタクトスポーツは、“感染の温床”としてやり玉に挙げられることもあるが、「コンタクトが駄目、ということになれば、競技は成り立たない。これからはwithコロナの時期。対策をしっかりしつつ、大会はやるべきだ」と主張する。

 関係者が懸念するのは、大会で感染者が出てしまった時のこと。社会的に批判を浴びることにもなり、大会開催に二の足を踏んできたのが現状だ。だが、「感染者が出てしまった場合、原因をしっかりと追求し、さらなる感染防止対策へとつなげるべきだ」と話し、それを理由に今後の大会を中止にしてはならないと主張する。

 9月までは、まだできる状態ではなかったとする一方、10月に入って続けざまに大会が開かれ、「もう一歩踏み出しました」。活動の完全再開を求めた。

▲窓を開放した中で、定期的にマット消毒を実施
▲1日の終わりには全監督が集まって感染防止対策ほかの反省会を実施

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