「鬼滅の刃」経済効果は数千億円!?コラボで売上UPが期待できる銘柄9選!

10月16日から公開が始まったアニメ映画「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」が大ヒットしています。

同映画を配給している東宝(9602・東証1部)とアニプレックスによると、公開10日間の興行収入は107億円となり、これまで興行収入100億円達成の最短記録だったアニメ映画「千と千尋の神隠し」の25日間を大きく上回る速さで興行収入が増えているとしています。

「鬼滅の刃」は今や社会現象と呼ばれるほど人気になり、株式市場でも「鬼滅の刃」への注目が高まっています。そこで今回は「鬼滅の刃」と関連企業を紹介したいと思います。


幅広い年齢層の心を捉えた「鬼滅の刃」

「鬼滅の刃」は大正時代を舞台に、家族を鬼に殺された主人公の少年剣士が、鬼にされてしまった妹を人間に戻すために鬼に立ち向かう話を描いたマンガ・アニメ作品です。

鬼になっても人間の心を持つ妹や、様々な背景を持つ仲間たちと助け合い、家族愛、友情、勇気、希望などの要素を組み入れた話が2016年の雑誌連載開始以降、幅広い年齢層の心を捉え、2019年のテレビでのアニメ放送をきっかけとして人気が飛躍的に高まりました。

今年に入って新型コロナウイルス感染症を防ぐために外出を控える「巣ごもり」生活が広がり、ネットフリックスなどの動画配信サービスで同アニメを視聴する機会が増えたたことも人気に拍車をかけたようです。

原作コミック本のシリーズ累計発行部数は1億部を超える大ヒット作品となり、最近では街中の様々な場所で主人公のイメージカラーである緑と黒の市松模様を見かけるなど、「鬼滅の刃」の人気は社会現象になっています。

「鬼滅の刃」と組む商品やサービスが増加、高い経済効果も

「鬼滅の刃」が社会現象と呼ばれるほどの人気になったことで、「鬼滅の刃」と商品やサービスを組む企業が増え、「鬼滅の刃」効果によって売上が増える企業が増えています。

コンビニ大手のローソン(2651・東証1部)では同作品の主要キャラクターをデザインにした「菓子」や「おにぎり」などのコラボ商品の販売を開始しました。九州旅客鉄道(JR九州、9142・東証1部)はキャラクターの絵をラッピングした特別列車を運行しています。カジュアル衣料チェーンのジーンズメイト(7448・東証1部)では映画のキャラクターを描いたTシャツなどの衣類の通信販売が好調に推移しているようです。

過去に人気になったアニメ「妖怪ウォッチ」による直接経済効果の累計額は推定2千億円以上との見方がありますが、今後もコラボ商品やサービスが増えることを考えれば、「鬼滅の刃」効果によって、数千億円規模の高い経済効果が生まれる可能性も有りそうです。

「鬼滅の刃」効果が期待出来る企業に注目

「鬼滅の刃」関連の企業では、グループ会社が「鬼滅の刃」のアニメを制作しているソニー(6758・東証1部)のほか、前出の東宝やローソン、「鬼滅の刃」の玩具や菓子を販売するバンダイナムコホールディングス(7832・東証1部)、「鬼滅の刃」の動画配信を行うサイバーエージェント(4751・東証1部)等が注目されます。

中小型株では、「鬼滅の刃」とのコラボキャンペーンの実績を持つ外食チェーンのくら寿司(2695・東証1部)や缶コーヒーでコラボ商品を販売するダイドーグループホールディングス(2590・東証1部)等も注目企業と考えます。

<文:投資調査部 川崎朝映>

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