助っ人たちは戦力になったのか? 12球団の新外国人たちの働き&成績を検証【セ編】

巨人のヘラルド・パーラ(左)と阪神のジャスティン・ボーア【写真:荒川祐史】

怪我で離脱は多かったものの、さすがの打撃を見せたDeNAオースティン

2020年のペナントレースも残りわずか。セ・リーグは巨人が2年連続の優勝を決め、パ・リーグではソフトバンクが3年ぶりにリーグ優勝を奪還した。残るはパ・リーグのクライマックスシリーズ争い。新型コロナウイルスの感染拡大で開幕が3か月遅れとなった今季もクライマックスが近づいてきている。

新型コロナの影響で選手たちも調整に苦労したであろう今シーズン。来日1年目となった新助っ人や、新天地に移った外国人選手にとってはより一層、難しい1年となったことだろう。そこでここでは各球団で1年目だった新助っ人の今季を検証。その働きを診断してみる。

【セ・リーグ】
○巨人
サンチェス 14試合8勝4敗0S0H 3.05
ビエイラ 27試合0勝1敗0S2H 3.28
ディプラン 1試合0勝0敗0S0H 27.00
ウィーラー 91試合252打数62安12本36点 .246
パーラ 47試合146打数39安4本13点 .267
ウレーニャ 11試合18打数3安打0本0点 .167

2年連続のリーグ優勝を決めた巨人はサンチェスが先発として8勝をマーク。開幕後はやや不安定だったものの、蓋を開けてみれば、戸郷と並びチームで2番目の勝ち星を挙げている。一方で期待外れに終わったのがパーラ。ここまで47試合の出場、4本塁打に止まっている。楽天からシーズン途中に加入したウィーラーは12本塁打と結果を残した。

○DeNA
ピープルズ 9試合2勝2敗0S0H 5.02
オースティン 62試合225打数64安20本55点 .284

ラミレス監督の退任が決まったDeNA。新助っ人では先発として期待されたピープルズは9試合で2勝、防御率5.02と振るわなかった。一方で打線の核として期待されたオースティンは、故障での離脱こそ多く62試合の出場にとどまるが、その中で打率.284、20本塁打の好成績を残した。故障さえなければ、更なる活躍が期待できるだろう。

ヤクルトのクックはわずか7試合の登板で早々に帰国

○阪神
エドワーズ 19試合0勝1敗0S9H 2.37
ガンケル 27試合1勝4敗0S11H 3.31
スアレス 48試合2勝1敗24S7H 2.37
ボーア 99試合329打数80安17本45点 .243
サンズ 104試合360打数95安19本63点 .264

オフに大補強を敢行し、昨季から在籍する助っ人合わせて8人体制で今季に臨んだ阪神。ソフトバンクから移籍となったスアレスは守護神となり、ここまで24セーブ。ボーアは浮き沈みこそ大きかったものの、チームで3位となる17本塁打を放ち、サンズは同2位の19本塁打。ともにチームに不足していた長打力をもたらした。一方でエドワーズとガンケルはやや物足りない結果か。

○広島
スコット 7試合0勝3敗0S0H 15.75
DJ・ジョンソン 14試合0勝0敗0S1H 4.61(→楽天へ)
ピレラ 93打数303打数79安11本34点 .261

ここまで5位に沈む広島は新助っ人が期待ほどの活躍を見せられなかったのも痛かった。抑えとして開幕を迎えたスコットは2試合続けて救援に失敗し、ここまで7試合の登板にとどまる。DJ・ジョンソンも結果を残せずに楽天に移籍した。ピレラは打率.261、11本塁打とまずまずの成績を残したが、チーム成績を押し上げるほどの成績ではなかった。

○中日
ゴンサレス 27試合0勝0敗0S4H 4.85
ロドリゲス 10試合3勝4敗0S0H 3.98
シエラ 24試合76打数18安打1本7点 .237

セ・リーグ3位につけ、8年ぶりAクラスが見えてきた中日。ゴンサレスはリリーフとして27試合に登板し、ロドリゲスはシーズン途中から先発ローテに入り3勝を挙げた。ただ、ビシエドやR・マルティネスら既存の助っ人が活躍する一方で、新たに加入した外国人選手はさほどインパクトは残せなかった。

○ヤクルト
クック 7試合0勝3敗0S0H 7.88
エスコバー 99試合360打数101安1本30点 .281

最下位に沈むヤクルトは先発として期待されたクックがこれを裏切る結果に。上半身のコンディション不良で出遅れ、復帰後も7試合で0勝3敗、防御率7.88と散々な結果に。シーズン終了を待たずに先日帰国した。エスコバーは打率.281とまずまず。もともと長距離砲ではなく、さすがの守備力とともに十分な役割だったのではないだろうか。(Full-Count編集部)

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