来季の開花に期待大 ファームでタイトルを獲得した12球団の期待の星は?

ソフトバンクのリチャード(左)とオリックス・宮城大弥【写真:藤浦一都、荒川祐史】

ソフトバンク勢は大竹、三森、リチャード、佐藤で9冠のうち8冠

各球団の若手が研鑽を積み、1軍の戦力となるために汗を流すウエスタン・リーグとイースタン・リーグ。新型コロナウイルスの影響で開幕が遅れた両リーグは1日に今季の全日程を終えた。ウエスタン・リーグは1軍がパ・リーグを3年ぶりに制したソフトバンクが親子Vを果たし、イースタン・リーグは楽天が2年連続で優勝した。両チームは11月7日にファーム選手権を戦う。

全日程が終了したことで、両リーグのタイトル獲得者も決定。そこで、来季以降の活躍も期待されるタイトル獲得した若手をそれぞれ見ていこう。まずはウエスタン・リーグだ。

【ウエスタン・リーグ】
・最優秀防御率(2.53)
大竹耕太郎(ソフトバンク)

・最多勝(6勝)
大竹耕太郎投手(ソフトバンク)
宮城大弥(オリックス)

・勝率第1位(.667)
大竹耕太郎(ソフトバンク)
横山雄哉(阪神)

・最多セーブ(12セーブ)
田中法彦(広島)

投手部門ではソフトバンクの大竹が最多勝、防御率、勝率と3冠に輝いた。3年目の左腕は1軍でも2勝をマークしたが、1軍での登板機会にはあまり恵まれずに2軍で好投を続けた。オリックスのドラ1ルーキー宮城は大竹に並ぶ6勝をあげた。1軍デビューも果たしたが、プロ初勝利は掴めなかった。

広島の田中は2018年のドラフト5位で菰野高から入団し、まだ20歳と若いイキのいい右腕。今季は1軍でも2試合に登板している。阪神の横山は2014年のドラ1。左肩の故障で一時は育成選手となっていたが、今季支配下に復帰し、1260日ぶりに1軍のマウンドにも立った。

・首位打者(.323)
三森大貴(ソフトバンク)

・本塁打王(12本)
リチャード(ソフトバンク)

・打点王(47打点)
リチャード(ソフトバンク)

・最高出塁率(.397)
三森大貴(ソフトバンク)

・盗塁王(20盗塁)
佐藤直樹(ソフトバンク)

野手部門は2年連続でウエスタンを制覇したソフトバンク勢が独占。2016年ドラフト4位の三森が打率、出塁率で2冠、2017年の育成ドラフト3巡目だったリチャードが本塁打と打点で2冠となった。三森は今季も1軍で24試合を経験。シュアな打撃に期待がかかり、育成から昇格したリチャードもその長打力で来季以降、開花してもらいたい存在。ドラ1ルーキーの佐藤も盗塁王になり、周東佑京に続くスピードスターになれる存在だ。

巨人・太田龍(左)とDeNA・細川成也【写真:編集部、荒川祐史】

巨人では太田、沼田、山川と期待の若手投手が最多勝に

【イースタン・リーグ】
・最優秀防御率(1.74)
北浦竜次(日本ハム)

・最多勝(5勝)
宮城滝太(DeNA)
太田龍(巨人)
沼田翔平(巨人)
山川和大(巨人)
M・クック(ヤクルト)
榎田大樹(西武)

・最多セーブ(12セーブ)
釜田佳直(楽天)

・勝率第1位(.800)
阪口皓亮(DeNA)

イースタンで最優秀防御率に輝いたのは日本ハムの北浦で防御率1.74をマーク。2017年のドラフト5位で白鴎大足利から入団した高卒3年目左腕で1軍でも通算8試合に登板している。最多勝は6人が並び、DeNAの育成右腕・宮城や巨人のドラフト2位ルーキー太田、沼田、山川らが受賞。ヤクルトのクックはすでに帰国している。

ベテランの榎田は本来であれば、ここにいてはいけない存在。最多セーブに輝いた楽天の釜田もまた今季が9年目とあって、2軍にいるべき存在ではない。DeNAの阪口は高卒3年目の右腕。昨季3試合、今季もここまで3試合で1軍に登板しており、期待の大きさが伺える。

・首位打者(.345)
加藤翔平(ロッテ)

・最多本塁打(13本)
細川成也(DeNA)

・最多打点(53打点)
細川成也(DeNA)

・盗塁王(22盗塁)
湯浅大(巨人)

・最高出塁率(.448)
細川成也(DeNA)

打者ではDeNA期待の細川が本塁打、打点、最高出塁率で“3冠王”になった。2016年のドラフト5位で入団した高卒4年目。そのパンチ力は期待が大きく、そろそろの開花を期待したい。ロッテの加藤は首位打者になったが、こちらは1軍にいなければいけない存在。巨人の湯浅は1軍でも2つの盗塁を決めており、走塁のスペシャリストにもなり得る存在だ。(Full-Count編集部)

© 株式会社Creative2