中日14年“落合ドラフト”の不思議…上位4人は戦力外、下位選手が奮闘の逆転現象

中日・石川駿(左)と浜田智博【写真:荒川祐史】

14年ドラフト組の石川駿、育成の浜田智博が戦力外に

中日は3日、小熊凌祐投手、伊藤準規投手、阿知羅拓馬投手、鈴木翔太投手、石川駿内野手、育成の浜田智博投手、大蔵彰人投手の計7人に来季契約を結ばないことを通告したと発表した。当時の落合博満GMが辣腕を振るった2014年のドラフトで指名された浜田智、石川駿が戦力外となり、これで1~4位が中日の現役ユニホームを脱ぐことに。一方、下位指名の選手が1軍で存在感を見せる“逆転現象”が起きている。

14年2位指名の浜田智は、テークバックの際に両手を上げる「バンザイ投法」で注目を集めたが、1軍出場は1年目の1試合のみ。17年からは育成契約となり、2桁背番号復帰を目指してきた。今季は2軍戦に26試合に登板し、0勝1敗、防御率5.94。4年間のチャンスで、支配下返り咲きは果たせなかった。

同じく14年4位の石川駿は、強打の二塁手として荒木雅博・現1軍内野守備走塁コーチの後継を期待されたが、腰痛などの故障にも悩まされて1軍出場は限定的に。今季は11試合に出場し、10打数3安打。通算31試合で1本塁打、6打点、打率.244だった。

14年のドラフトでは、1位指名された野村亮介がわずか3年で戦力外になり、打撃投手に。3位の友永翔太も19年限りで戦力外となり、現役を引退した。社会人と大学生の指名とはいえ、6年間で上位の4人が中日から去ることになった。

6位指名だった井領雅貴は今季キャリアハイ、7位の遠藤一星は外野に転機

その一方で、下位指名の選手たちはここ最近、1軍で奮闘している。8位の山本雅士は18年、9位の金子丈は17年に戦力外となったものの、5位の加藤匠馬は昨季92試合に出場して正捕手候補に台頭。今季は木下拓哉やA・マルティネスらの後塵を拝したが、球界屈指とも言われる強肩は際立つ。

6位の井領雅貴は当初、外野の一角を担えずに苦しんだが、昨季は左の代打などで55試合に出場すると、今季はキャリアハイの75試合に出場。故障で離脱した右翼・平田良介の代役を担ってきた。26歳の年に入団して“オールドルーキー”と呼ばれた7位の遠藤一星は、本職の遊撃に不安が露呈して外野手に転向。すると、代打や守備固めで存在感を示すようになり、昨季は108試合に出場。今季は63試合ながら開幕から1軍の戦力になり続けている。

支配下で指名された9選手中、高校生はゼロだった“落合ドラフト”。プロに入れば順位は関係ないとは言うが、奇しくも上位と下位で明暗が分かれる格好となった。

○中日の2014年ドラフト指名選手
1位 野村亮介(三菱日立パワーシステムズ横浜、現・三菱パワー)
2位 浜田智博(九産大)
3位 友永翔太(日本通運)
4位 石川駿(JX-ENEOS、現・ENEOS)
5位 加藤匠馬(青学大)
6位 井領雅貴(JX-ENEOS、現・ENEOS)
7位 遠藤一星(東京ガス)
8位 山本雅士(四国IL徳島)
9位 金子丈(大商大)(Full-Count編集部)

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