九州実業団毎日駅伝 旭化成と1分37秒差 三菱重工、井上「悲観するほど悪くない」

 3日、北九州市で開催された第57回九州実業団毎日駅伝は、全国制覇に照準を合わせる三菱重工(長崎県)にとって、納得できない2位になった。ニューイヤー駅伝4連覇中の旭化成との差は1分37秒。黒木監督は「どこかで先頭に立ちたかった。もう少し接戦で終わりたかったな」と悔しさを隠さなかった。
 ポイントの前半で今ひとつ波に乗れなかった。1区山下が先頭と13秒差の7位で粘り、2区カンディエも区間タイの力走で3位まで浮上したが、先頭との差は40秒まで広がった。3区的野が9秒差まで詰めたものの、主導権は握れなかった。
 主要区間でもライバルに先行された。区間賞は1人も獲得できず、中盤以降は徐々に差を広げられた。エース区間の5区を任された井上は「今回の結果を受け止めて、もっと強くなる。目安としては1人10秒以上削りだせるようにしたい」とチームの思いを代弁した。
 一方で若手の成長が見えた点は収穫だった。初出場で区間3位と好走した大卒2年目の6区江島は「戦えはしたけど、満足はしていない。最後の上りで離されたのが課題。ニューイヤー駅伝は区間賞を目標に勝負したい」と意識の高さものぞかせた。
 井上が「悲観するほど悪くない」と振り返ったように、悔しい2位ではあったが、価値ある2位でもあった。来年元日の本番まで約2カ月。三菱重工は一人一人がパワーアップして、1分37秒差をひっくり返しに行く。

 


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