学術会議問題 沖縄県憲法普及協議会と人権協会、首相に抗議声明

 日本学術会議が推薦した会員候補6人を菅義偉首相が任命しなかった問題で、沖縄県憲法普及協議会と沖縄人権協会は2日、「民主主義に対する脅威となる」として抗議する声明を発表した。任命拒否の理由を明らかにすることや、6人を直ちに任命することも求めた。同日付で菅首相に発送した。

 3日に憲法公布74年を迎えるのに合わせた。声明では、科学者が戦争に協力した歴史の痛切な反省に基づき、日本学術会議が政府から独立していると指摘。今回の任命拒否は「政府に都合の悪い研究や主張を行う研究者の排除を意図していると考えざるを得ない」とし、専門家や国民に萎縮効果をもたらすと批判した。

 沖縄人権協会の大田朝章理事長は記者会見で「学者が国策や戦争に動員されると甚大な被害が出る。歴史を見ても明らかだ」と述べた。県憲法普及協議会の加藤裕会長代行は「官邸が権力を握って何でも強行する体制は、辺野古の問題と同じ構造。学者だけでなく、国民一人一人の声を押しつぶすもので、変えさせるまで声を上げなければならない」と強調した。

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