鮮やか首里城 再建願う絵画「見る人の心明るく」 兵庫の小6男児が現地で作品展

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自身の作品展会場を訪れ、来場者にあいさつした柳生千裕君(右から2人目)=那覇市牧志1、ジュンク堂書店那覇店(柳生尚央さん提供)

 兵庫県西宮市の小学生、柳生千裕君(11)が首里城(那覇市)の再建を願って描いた絵画の作品展が、ジュンク堂書店那覇店(同市)で開かれている。これに合わせて、柳生君は初めて沖縄を訪問し、来場者と交流した。作品を印刷したポストカードを地元消防などに寄贈。「これからも見る人の心が明るくなる絵を描き続けたい」と力強く語る。(竹本拓也)

 柳生君は西宮市立総合教育センター付属西宮浜義務教育学校6年で自閉スペクトラム症(ASD)がある。自己表現の一つとして9歳から独学で絵を描き始め、父尚央(ひさお)さん(40)とともに会員制交流サイト(SNS)で極彩色の作品を投稿している。

 首里城の作品のタイトルは「いつかその日まで」。精密な構図、大胆な色使いが反響を呼び、沖縄手帳社(沖縄県沖縄市)が発行する2021年版「沖縄手帳」に採用された。ジュンク堂書店那覇店の協力で作品展も実現し、11月10日まで海中で輝くサンゴ礁を描いた新作など10点とともに展示している。

 柳生君は10月24~26日、沖縄を訪問した。首里城公園は雲一つない完璧な青空だったが、シンボルであるはずの赤瓦の正殿はなかった。「そこにあるはずのものがない…」。悲しい気持ちになった。

 作品展の会場では、首里城を管理する財団と那覇市消防局に、自身の作品を印刷した「首里城再建チャリティーポストカード」(5枚組み)と、「いつかその日まで」のA3判のレプリカを寄贈。会場で限定販売されており、収益は再建費用に充てられる。

 作品を通じて沖縄の人たちと触れ合い、制作の経緯などを自分の言葉で伝えた柳生君。「絵の細かい部分を間近で見られて良かったという声がうれしい。これから頑張っていこうと思えた」とはにかむ。

 同店の森本浩平店長(45)は兵庫県加古川市生まれで、沖縄兵庫県人会の副会長も務める。連日幅広い世代が訪れ、問い合わせも相次いでいるという。来場者向けノートには「元気になれるすばらしい色づかいで感動した」「柳生君の絵の大ファンとしてどこまでも応援したい」などとメッセージが寄せられている。

 森本さんは「私も柳生君の感性のすばらしさに心を打たれた一人。兵庫をルーツとする書店が、兵庫と沖縄の人たちをつなぐ役割を果たせたのは何かの縁と思う」と話している。

 兵庫県内ではジュンク堂書店西宮店(西宮市)でポストカードを販売している。