WONK、メンバーの思い入れのある場所、ブルーノート東京でのオフィシャル・ライブレポート

Kohei Watanabe (UN.inc)

WONKが、11/1(日)、2(月)の2日間に渡って合計4回のステージをブルーノート東京で繰り広げた。観客を入れてステージに立つのは実に9ヶ月ぶり。4ステージの中で唯一、ストリーミング配信をした、11/1(日)の2ndステージの様子のオフィシャル・ライブレポートをお届けします。

WONK BLUE NOTE TOKYO LIVE 2020

オフィシャル・ライブレポート

日付:2020.11.1(日)2ndステージ

ライター:金子厚武

11月1日、WONKがBLUE NOTE TOKYOでワンマンライブ「BLUE NOTE TOKYO LIVE 2020」を開催した。8月に行われ、最先端のテクノロジーを駆使したオンラインライブ「『EYES』SPECIAL 3DCG LIVE」では、最新作『EYES』のSF的な世界観をそのまま再現したが、この日は一転、アコースティックセットならではの新旧織り交ぜたセットリストを披露。ここでは同時生配信も行われた、セカンドステージについてレポートする。

「3DCG LIVE」がメンバー4人のみで行われたのに対して、この日はギターの小川翔と、サックス/フルートのMELRAWをサポートに迎えた6人編成で、“Gather Round”からライブがスタート。長塚健斗は間奏パートで「お客さんの前でライブができることの特別さを噛みしめています」と語り、新型コロナウィルスの感染予防対策で歓声を上げられないオーディエンスに、「テンションが上がったら心の中で叫んでください。ちゃんと聴こえてます。準備はよろしいでしょうか?」と呼びかけると、場内は大きな拍手に包まれた。

“Sweeter, More Bitter”や“1914”といった序盤の曲はオリジナルの音源だとシンセがフィーチャーされているが、この日の江﨑文武はグランドピアノとエレピを交互にプレイし、楽曲の新たな魅力を引き出していく。フランスのEd Banger所属のDJ/ビートメイカーのMydによるリミックスが話題の“Orange Mug”も、長塚がスタンドマイクで歌い上げ、アウトロはMELRAWの艶やかなサックスが締め括った。

MCでは3年ぶりにBLUE NOTE公演が開催できたことの喜びを語り、メンバーそれぞれが学生時代から通っているというBLUE NOTEの思い出を語り合う。また、料理人としても知られる長塚が配信番組「#ケントズキッチン」でレシピを公開したボロネーズや、バンド名の由来であるセロニアス・モンクの帽子をイメージして飾り付けられ、『EYES』の収録曲から名前が取られたカクテル「In Your Own Way」といったBLUE NOTE公演用の特別なメニューを紹介するなど、和やかな雰囲気も印象的だった。

井上幹がエレキベースをウッドベースに持ち替えた中盤からは、よりアコースティックならではの雰囲気に。MELRAWのフルートをフィーチャーした“Midnight Cruise”に続く“Feelin’ You”では、アウトロで荒田洸がドラムソロを披露し、徐々に手数が増えていく、その高揚感がたまらない。江﨑のメランコリックで気品のあるピアノソロから始まる“Over”では、長塚が椅子に座って物悲しいメロディーを綴り、途中でリズム隊が加わると、マレットを用いた荒田の抑制の効いたプレイが、秘めた熱量を浮かび上がらせていた。

「ライブって楽しいですね」と長塚がしみじみつぶやくと、The Internetのカバー“La di da”では、ゲストシンガーのMALIYAが登場。小川の情熱的なガットギターとともに、MALIYAが存在感のある歌声を披露し、長塚とも息の合った華やかなパフォーマンスを展開する。さらに、オリジナルはダンスミュージック的な要素の強い“HEROISM”も、この日はグランドピアノとウッドベースで生まれ変わり、ネオソウル風の名曲“Savior”でもアウトロのフルートが際立つなど、やはり生楽器が独自のムードを作り上げていた。

「どこに行くにも、誰と会うにも、気を使わないといけない中で、だんだんライブ会場で音を共有し合い、いろんなものを共有し合えるようになってきて、同じ時間を共有できるのは本当に特別なことだと思います」と、長塚が改めてオーディエンスに感謝を伝え、本編ラストに届けられたのは“Cyberspace Love”。盛大な拍手と、おそらくは心の中での歓声が贈られる中、メンバーは一度ステージを後にした。

鳴り止まない拍手に応えてメンバーが再びステージに姿を現し、アンコールに演奏されたのは、メロウなバラードナンバーの“Small Thing”。「些細なことが世界を明るく照らしてくれる」という想いのこもった曲を長塚がしっとりと歌い上げ、貴重な一夜が幕を閉じた。聖地BLUE NOTEでのアコースティックセットだからこそ、メンバーそれぞれがジャズマンとしての地肩の強さを発揮しつつ、バンドとオーディエンスが同じ音、空間、時間を親密に共有することの尊さを改めて感じさせる、素晴らしいライブだった。

このライブの様子は、見逃し放送でストリーミングが可能となっており、当日ライブを見逃した方はぜひチェックを。

■BLUE NOTE TOKYO LIVE 2020 見逃し配信のご案内

販売終了日:11.8 sun. 11:00pm、配信期限:11.8 sun. 11:59pm

ぴあ <PIA LIVE STREAM>

イープラス <Streaming+>

ZAIKO (For International Purchaser)

詳しくは、http://www.bluenote.co.jp/jp/artists/wonk/

また、12/2(水)からは仙台公演を皮切りに全国ツアーをスタート、同日よりWONK「EYES SPECIAL 3DCG LIVE」Blu-rayも発売される。2020年もまだまだWONKにご注目いただきたい。  

■商品情報

【Blu-ray】

 アーティスト:WONK

タイトル:『EYES SPECIAL 3DCG LIVE』

リリース:2020年12月2日(水)

品番:POXD-23001

価格:6,600円(税込)

LIVE本編:約103分
特典映像:メンバーによるVIDEOコメンタリー(Picture in Picture)全編収録曲順 全18曲

予約はこちらから

■リンク

© ユニバーサル ミュージック合同会社