24時間貸し出しOK 地域の図書館で電子図書スタート 沖縄・南風原町

 【南風原】南風原町は10月29日から、電子図書の貸し出しを開始した。町内在住、在勤者であれば、パソコンやスマートフォンなどを使って24時間いつでも電子図書を借りることができる。現在は児童書や町史など1005冊が貸し出し可能で、そのうち約200冊は音声読み上げ機能が付いている。文字の拡大も可能で、まだ字を読むことができない子どもや、高齢者、身体障がい者らにも「読書の世界が広がる」として期待が集まっている。
 電子図書の貸し出しは久米島町に続き2例目。南風原町は年度内に2千冊の貸し出しを目指している。電子図書の貸し出しは1人3冊まで。
 2週間の貸出期限を迎えると自動的に閲覧できなくなる。
 新型コロナウイルスの感染拡大後は図書館利用を控える人も増えていることや、若い共働きの世帯が開館時間内の利用が難しいことから、電子図書の利用が見込まれる。
 28日に町立図書館前で開かれた南風原町電子図書館オープニングセレモニーで赤嶺正之町長は「読みたいという気持ちを止めることなく活用できる」として、読書への期待を寄せた。
 実際にタブレット端末で電子書籍を閲覧した儀間千恵さん(54)は「読書の幅が広がる。特にコロナの感染が広がっている中で、感染者でも病院で好きな本を読むことができる。自分の趣味や、子どもたちへの読み聞かせも充実するだろう」と喜び、生後6カ月の孫の大村潤君と一緒に絵本の電子図書を楽しんだ。
 潤君の母親の暁子さん(31)も「町外の会社に勤務していて、なかなか図書館に足を運べなかった。子どもに絵本をたくさん読んであげられる」と笑顔を見せた。  電子図書の利用には利用者IDなどが必要。南風原町電子図書館 https://www.d-library.jp/haebaru/g0101/top/ からアクセスする。

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