ドラフトと戦力外で12球団の支配下枠どうなった? 更なる戦力整理の可能性は…【セ編】

戦力外通告を受けた巨人・田原誠次、ヤクルト・近藤一樹、阪神・伊藤隼太(左から)【写真:荒川祐史】

巨人は7人を指名し、引退や戦力外で同数の7人を整理

プロ野球界では11月2日から各球団が来季の契約を結ばない選手にその旨を通告する、戦力外通告期間がスタートした。5日までの4日間で12球団が1度目の戦力外を発表し、支配下登録、育成選手合わせて計77選手に通告がなされた。

今季の戦力外通告期間は日本シリーズ終了翌日までと定められている。各球団はそれぞれ10月26日に行われたドラフト会議で、ルーキーを複数名指名している。支配下登録の枠は70人に決められており、指名したルーキーと同数程度は戦力を削らなければならない。

さらには各球団、シーズン中の補強の可能性を残すために支配下登録は65人前後で開幕を迎えるのがオーソドックス。そこで各球団の戦力外通告を受けた選手および、現役を引退する選手、自由契約となる選手と、ドラフト指名選手数を比較。今後の更なる戦力整理の可能性があるか見ていこう。

【巨人】支配下登録69人(ドラフト指名7人)
岩隈久志投手 現役引退
藤岡貴裕投手 戦力外通告
田原誠次投手 戦力外通告
村上海斗外野手 戦力外通告
加藤脩平外野手 戦力外通告
堀田賢慎投手 自由契約(育成契約打診)
鍬原拓也投手 自由契約(育成契約打診)

支配下で7人を指名した巨人は岩隈が今季で現役を引退し、藤岡ら4選手に戦力外を通告。さらに、昨年のドラ1でトミー・ジョン手術のリハビリ中の堀田、同じくリハビリ中の鍬原を育成再契約を前提とした自由契約とした。ドラフト指名数と同数の支配下登録枠を空けたが、これでは支配下登録は69人のまま。あと2、3人分は枠を空ける必要がありそう。

阪神はドラフト指名8人に対し、支配下枠はまだ6枠しか空けられていない

【阪神】支配下登録70人(ドラフト指名8人)
藤川球児投手 現役引退
高野圭佑投手 戦力外通告
横山雄哉投手 戦力外通告
福永春吾投手 戦力外通告
岡崎太一捕手 戦力外通告
伊藤隼太外野手 戦力外通告

現在、支配下登録枠いっぱいの70人を登録している阪神。ドラフトでは近大の佐藤輝明内野手ら8人を指名した。現時点で発表されているのは藤川の引退と5選手の戦力外。最低でもあと3人、ある程度の枠の余裕を作るにはさらに3人から5人分の支配下枠を空ける必要がある。能見、福留、上本らのベテランの去就が取り沙汰されており、更なる動きがあるだろう。

【中日】支配下登録70人(ドラフト指名6人)
吉見一起投手 現役引退
伊藤準規投手 戦力外
鈴木翔太投手 戦力外
小熊凌祐投手 戦力外
阿知羅拓馬投手 戦力外
石川駿内野手 戦力外

阪神と同様に支配下登録枠いっぱいの70人を登録している中日。ドラフトでは中京大中京の高橋宏ら6人を指名した。現時点では吉見が現役引退、5選手が戦力外となり、指名数と同数の支配下登録枠が空いた。ただ、開幕を迎えるにあたっては、更なる支配下枠の空きが必要となりそう。

【DeNA】支配下登録67人(ドラフト指名6人)
赤間謙投手 戦力外
濱矢廣大投手 戦力外
古村徹投手 戦力外
藤岡好明投手 戦力外
飛雄馬内野手 戦力外
石川雄洋内野手 戦力外
百瀬大騎内野手 戦力外

今季は現時点で支配下登録枠は67人。ドラフトでは明大の入江大生投手ら6人を指名した。その一方で、石川ら7人に戦力外を通告した。この時点で支配下選手は1人減の66人に。外国人選手の退団や入団はあるかもしれないが、さらに支配下登録枠を空ける必要はなさそうだ。

ヤクルトは指名6人に対して、すでに引退と戦力外で9人減

【広島】支配下登録67人(ドラフト指名6人)
石原慶幸捕手 現役引退
藤井皓哉投手 戦力外通告
戸田隆矢投手 戦力外通告(育成契約の方針)
平岡敬人投手 戦力外通告
小窪哲也内野手 自由契約

今季の支配下登録数は67人。ドラフトではトヨタ自動車の栗林良吏投手をはじめ、6人を指名した。一方でベテラン捕手の石原慶が現役を引退。小窪が自由契約となり、藤井ら3選手が戦力外に。現時点ではまだ支配下5枠しか空いておらず、外国人選手を含めてあと数人は動きがありそうだ。

【ヤクルト】支配下登録68人(ドラフト指名6人)
井野卓捕手 現役引退
五十嵐亮太投手 現役引退
中澤雅人投手 現役引退
近藤一樹投手 戦力外
山田大樹投手 戦力外
田川賢吾投手 戦力外
風張蓮投手 戦力外
平井諒投手 戦力外
山中浩史投手 戦力外

現時点で68人が支配下登録をされているヤクルト。ドラフトでは慶大の木澤尚文投手ら6人を指名した一方で、すでに9選手がチームを去ることになっている。五十嵐亮太投手、中澤雅人投手、井野卓捕手が現役を引退。さらに近藤一樹投手ら6選手を戦力外とした。この段階で支配下登録数は3人減って65人に。枠を空ける必要はこれ以上はなく、外国人の退団や入団等はあるかもしれないが、更なる戦力外通告はないか。(Full-Count編集部)

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