長崎県中学駅伝男子 双子の兄弟がけん引 森山初V

トップでゴールする森山男子のアンカー牟田凜=トランスコスモススタジアム長崎

 男子第62回長崎県中学駅伝大会は5日、諫早市のトランスコスモススタジアム長崎を発着点とする県立総合運動公園周回コースで行われ、双子の牟田兄弟が森山を初優勝に導いた。1区牟田颯、アンカー牟田凜が、そろって4キロ区間で区間賞の好走。2人を軸に一丸で手にした栄冠に、横山監督は「チーム森山みんなでバックアップして楽しく走ってくれた」と手放しで喜んだ。
 まず兄の颯太が流れをつくった。エースが集う1区で、魚目の船越、中里の古賀と3人で先頭集団を形成。「終盤勝負になる」と力をため、残り400メートル付近でスパートした。2位と7秒差をつけてリレーした。
 走り終えた後は、当初から決めていた通りに履いていた厚底シューズを弟の凜太に渡した。「これを履くなら1位で来いよ」。兄の靴を借りた弟は「兄と一緒に走っているようだった。後ろから追い掛けられて怖かったけど、みんなの声援もあって1位でゴールできた」。走り始めた時に15秒だった2位との差は、46秒に広がっていた。
 7月にチームを結成。2~5区を務めた陸上部の中距離選手やサッカー部員も含めて、一人一人が考えながら練習を重ねてきた。そんな中、10月の諫早市予選は最初の1キロの入り方などで失敗。1時間6分23秒と不完全燃焼に終わったが、反省を生かした今回はみんなで1時間3分57秒まで短縮できた。
 ゴールの瞬間、牟田凜はガッツポーズをして見せた。そこには全員でつかんだ「予想を上回る好タイムでの優勝」の喜びが詰まっていた。


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