長崎県中学駅伝女子 福江初V アンカーで劇的逆転

女子第4中継所、福江の4区川上(左)からアンカー木口へたすきリレー=県立総合運動公園周回コース

 女子第37回県中学駅伝大会は5日、諫早市のトランスコスモススタジアム長崎を発着点とする県立総合運動公園周回コースで行われ、福江が劇的な展開で初の栄冠を手にした。3区終了時点で首位と22秒差だったが、4区川上、最終5区木口の連続区間賞で逆転V。ゴールまで残り1キロ付近で先頭に立ち、一気に突き放した。1区で8位発進した主将の小嶋は「最後までみんなが諦めなかったおかげ」とチームメートに感謝した。
 昨年2位の経験が生きた。小嶋、川上、木口は昨年も同じ区間を任されて好走。4区で逆転の機運をつくった川上は「最初の坂で頑張りすぎないように」と抑え気味に入り、終盤に加速。トップと5秒差まで詰めてリレーすると、アンカー木口もラスト勝負に備える冷静さがあった。
 メンバー5人中、陸上部員は小嶋だけで、残る4人はバスケットボール部に所属。“本職”でも県の上位を狙える力を持っていたが、今年はコロナ禍でほぼすべての大会が中止になった。だからこそ「バスケの分まで駅伝で頑張ろう」(木口)と決意できたという。毎朝の20分間走などにこつこつと励んできた努力が実を結んだ。
 レース後、川上が「バスケと違って駅伝は1人で走るけれど、きょうはみんなとつながっていると感じた。自分の力以上のものが出た」と振り返った。その言葉通りに、優勝タイムの42分14秒は、市予選の記録を2分37秒も更新した。コロナの悔しさも拭い去る快走で、女子としては初めて五島列島に優勝旗を持ち帰った。


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