首里城地下の旧日本軍司令部壕 沖縄県が初の大規模な資料調査へ

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沖縄戦で軍事的中枢となった旧日本軍第32軍司令部壕の第5坑道の入り口=2月、那覇市

 沖縄県の玉城デニー知事は6日、首里城地下の旧日本軍第32軍司令部壕の実態解明に向け、国内外の関連資料を収集すると発表した。32軍壕に特化した県の大規模な資料調査は初。本年度事業費は約880万円で、既に着手している。県民にも関連証言や体験手記、個人が持つ資料などの提供を呼び掛け、来年3月までにスタートする保存・活用を巡る検討委員会の議論に生かす。

 県によると、32軍壕は全容を確認することが難しく、関連資料なども整理されておらず実態が十分に分かっていない。玉城知事は「これまで確認していない資料もある。網羅的に収集して史実面から解析を進めていく」と述べた。予算は、不要になった別事業費で急きょ補った。業務は県公文書館を指定管理する県文化振興会が受託し、今月から作業に着手している。

 本年度は、県公文書館が所蔵する旧日本軍や米軍、琉球政府の沖縄戦資料など約60万ページからの抽出分や、新たに収集する米国立公文書館など県内外に眠る資料、戦争体験者・地域住民の証言などをリスト化する。来年度は整理した資料の本格的な分析に入る。

 また県は今回の資料収集とは別に、保存・公開の在り方を話し合う検討委員会の運営費などとして約700万円を9月補正予算に計上済み。本年度内の初会合を目指し、委員となる有識者を選定中だ。実測・発掘調査をするかや、県文化財指定の是非なども議論の対象となる。

「第32軍司令部壕」県の今後の流れ