コロナ患者搬送も想定 長崎県と4市 原子力防災訓練

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新型コロナウイルス感染者の搬送を想定した訓練=平戸港

 九州電力玄海原発(佐賀県玄海町)での災害発生に備え、県と原発から30キロ圏内の松浦、佐世保、平戸、壱岐の4市は7日、県原子力防災訓練を実施した。災害対策本部の運営や情報の収集・伝達、住民避難の流れなどを確認。避難所での新型コロナウイルスの感染拡大防止対策を確認したほか、平戸市の離島で感染者が発生したと想定した搬送訓練にも取り組んだ。
 新型コロナ感染症が流行する中で、原発から原子炉冷却材が漏えいし炉心を冷却する全ての機能が失われた-。佐賀、福岡両県とも想定を合わせた。午前9時、九州電力の通報を受け、県災害対策本部を設置。国や福岡、佐賀両県などとテレビ会議で情報を共有した。松浦など4市とのテレビ会議では、それぞれの状況などを確認。中村法道知事は「住民の安全確保を第一に必要な情報の迅速かつ的確な伝達を」と指示し、新型コロナの感染防止対策も呼び掛けた。
 松浦、壱岐、平戸の3市では、住民195人が放射線防護施設などへ避難。避難所では検温やマスク着用、手指消毒などを徹底し、離れて座った。
 一方、感染者の搬送訓練では、的山大島の無症状の30歳男性を平戸海上保安署の巡視艇で平戸港まで移送。平戸消防署大島出張所の署員が同行し、県北保健所の救急車に引き継いで佐世保市内の指定医療機関に運んだ。巡視艇内では密を避けるため船室に入らないなど工夫。署員は「春からコロナ対策の訓練をしてきた。周りに感染を広げないように意識した」という。
 訓練は毎年実施し19度目。新型コロナ感染拡大防止のため規模を縮小し、75機関915人が参加した。終了後の講評で、荒木秀・県危機管理監は「実際の災害では(訓練のような)シナリオはない。訓練以上に関係機関、自治体が連携する必要がある」と述べた。