「お金の勉強」ってどうすればいいの?始めやすい初心者のための情報収集

「お金のことがとにかく苦手で、なんとかしなきゃ……」「でも難しいことはやめたい。手っ取り早くお金のことに詳しくなる方法は?」そう考えている方も多いのではないでしょうか。

腰をすえて勉強しようと思うと大変ですが、かといって、お金の基礎知識を知らないまま月日が過ぎていくと、損をしてしまう可能性があります。

そこで今回は、「お金の勉強」をしたいと思ったときに、始めやすい方法についてお伝えします。


「お金関係の書籍は難しい」と感じたら…

時々聞かれるのが「お金についての書籍を買ったけれど、辞典のようで、どこから読んだらよいのか、何が自分にとって必要だったかさっぱりわからなかった」という声です。

確かに書籍には、辞典のようにすべての項目が網羅されているものもあります。「載っていることをすべて理解しなきゃ!」と思うと、マネー初心者さんにとってはつらくなるでしょう。書店でお金関係の本を手に取るのが初めてであれば、いきなり分厚いものではなく、中身を確認して、ポイントが絞られた薄い本から始めてみる方がいいかもしれません。

また、書籍ではなく、ムックもおすすめです。字が大きく、図解などもたくさん入っていて、初心者向けにポイントが絞られているケースが多く、読みやすいと思います。アドバイスする人が複数出ていれば、幅広い視点から学ぶことができます。

泳げるようになりたい人が、いきなり個人メドレーに挑戦しないのと同じで、まずは水に慣れたり、フォームを確認したりするのと同じイメージで、できるレベルから少しずつ始めることがおすすめです。

自分の好みの雑誌のマネー特集もおすすめ

筆者が個人的によくおすすめしているのが、雑誌のマネー特集です。雑誌は、読者像が明確にイメージされてつくられていて、自分が気に入った雑誌であれば、自分にあうようなイメージや切り口でつくられていることが多いからです。

筆者自身も、さまざまな雑誌媒体で執筆をしておりますが、「この雑誌は共働きの読者が多い」「専業主婦が多い」「独身の働く女子が多い」「年収が高め」「節約が好きな人が多い」「買い物が好きな人が多い」といった具合に、雑誌の読者イメージにあわせてお届けする情報や切り口、伝え方を変えています。

また雑誌は、基本的に企画会議など含めて、さまざまな人の目をチェックされてからできあがります。「ここは初心者の人にわかりにくいんじゃないか」「この年収の人には、この話はずれるから変更したほうがいいかも」などとじっくり練られたうえで進めていきます。

そのため、自分のライフスタイルや考え方に合ったマネー特集になっている可能性が高く、読みやすいはず。好みの雑誌をチェックしておき、マネー特集があったら手に取ってみるのもよいでしょう。

金融機関のHPを見てみる

お金の勉強をする際には、信頼できる情報を入手することが必須です。

最近は、さまざまな媒体から発信がありますが、中には間違ったことがそのまま発信されていて、読んだ人が気づいていないケースもあるので要注意です。

その点において、金融機関のHPに載っている情報は安心できるでしょう。証券会社や銀行などのサイトでは、お金に関する用語の解説の他、お金のコラムが掲載されていることもあります。今の貯蓄額や、毎月貯められる金額などを入力すると、自動的にシミュレーションが出る場合もあります。

いずれも、金融機関の信用にかかわりますから、間違いがないかをしっかり確認した上で掲載されていて、信頼できる情報の一つといえます。まずは自分が持っている銀行口座などのHPのほか、今後口座を開いてみたい証券会社があれば、そののHPから、ぜひ確認してみてください。

自分のライフスタイルにあった発信者の内容を見る

また、本記事などを含めて、さまざまな人がWEBで記事を発信しています。お金に関することは、発信者のお金の価値観に左右されることが多いので、そういった視点で情報を選ぶこともおすすめです。

例えば、独身、共働き子育て家庭などといった属性のほか、「節約が好き」「買い物が好き」「アナログ派」「デジタル派」「マメなタイプ」「ズボラ」といったライフスタイルやお金に対する考え方の違いなども、如実に記事のテイストやピックアップされる情報に表れます。

そのため、自分のライフスタイルや考え方、目指したい方向などにあった発信者の記事を見ることもおすすめです。共感できるポイントが多ければ、「自分も実践してみよう」と一歩踏み出しやすくなりますし、踏み出した先のイメージもつきやすくなるでしょう。

何も考えずにマネーセミナーに参加するのは避けよう

何か勉強をしようと思うと、てっどりばやいのは「誰かから話を聞く」方法です。

「無料 マネーセミナー」などと検索して、出てきたもののなかから、予定があいそうなものに参加する、という方法を考える人も多いのではないでしょうか。

ところが、無料というのには訳があって、実は金融商品を売るためのセミナーだった、というケースもあるので要注意です。「無料で話を聞いてしまったから、このまま帰るのは申し訳ない……」という思いから、内容がよくわからないまま、まったく買うつもりがなかった金融商品を購入することになっては大変です。

中には、自治体が後押ししていて、自治体からセミナー講師にお金を出して開催され、特に金融商品の販売とは関係のない場合もあります。その他、啓蒙活動として、金融機関がセミナーを開催していることもあります。また、金融商品を販売する目的のセミナーでも、ちょうど欲しいものであれば、むしろ詳しい話を無料で聞けてよかった、という場合もあるでしょう。

無料セミナーといっても、自分にとって上手に活用できるケースと失敗してしまうケースがあります。「なぜ無料なんだろう」ということを考えたうえで、慎重に参加することをおすすめします。

以上、「お金の勉強をしたい」と思った際に、気を付けたいことやおすすめの方法についてお伝えしました。何かしらアクションに起こすことで、それが呼び水となり、お金について詳しくなっていけるはず。ぜひ最初の一歩踏み出してみてください。

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