多くの部門で確定も本塁打王争いは最後まで接戦…パ個人タイトルの最終局面は?

ソフトバンク・千賀滉大【写真:藤浦一都】

ソフトバンクの千賀は最多勝&最優秀防御率&最多奪三振の“3冠”へ

新型コロナウイルス感染拡大の影響で120試合に短縮された今季も残り数試合。セ・リーグは巨人が連覇、パ・リーグはソフトバンクが3年ぶりの優勝を飾った中、個人タイトル争いも佳境に入っている。すでに当確ランプが灯った部門がある一方で、最後の最後までもつれそうな部門も。今回はパ・リーグの現状を見てみる。

○最多勝
ソフトバンクの千賀滉大と楽天の涌井秀章が11勝で並んでいる。楽天はすでにシーズンが終了。ソフトバンクも残り1試合となっており、このまま同時受賞となりそうだ。3位タイにはソフトバンクの石川柊太、ロッテの美馬学が10勝で並んだ。

○最高勝率
ソフトバンクの東浜巨が19試合に登板して9勝2敗でトップの勝率.818。ただ、今季の条件である10勝には届いてない。現状ではソフトバンクの石川柊太が17試合で10勝3敗、勝率.769でトップに立っている。涌井は20試合で11勝4敗の.733、3美馬は19試合で10勝4敗の.714だった。

○最優秀防御率
千賀が防御率2.16でリーグトップ。2位につけていたオリックスの山本由伸は2.20でシーズンを終えた。3位には東浜で2.34、4位には日本ハムの有原航平が3.46と続いているが、残り試合を考えると状況は動きそうにない。

○最多セーブ
西武の増田達至が33セーブで初のタイトルを確定させた。ソフトバンクの森唯斗が32セーブで、1差の状況。ソフトバンクは残り1試合、西武は残り2試合で森の逆転は不可能だが、9日の試合でセーブを挙げれば、同数で森もタイトル獲得となる。

○最優秀中継ぎ
ソフトバンクのリバン・モイネロが40ホールドポイントでタイトルを確定させた。2位だった西武の平良海馬が34ホールドポイント、3位だったソフトバンクの高橋礼が27ホールドポイントで、モイネロの圧倒ぶりが顕著だった。

○最多奪三振
千賀と山本が149奪三振で並んだ。千賀は最多勝、最優秀防御率と合わせて“3冠”が濃厚となった。3位は日本ハムのドリュー・バーヘイゲンの115奪三振で、トップの2人が大きく突き放した格好となった。

ソフトバンク・周東佑京【写真:藤浦一都】

オリックス吉田正が首位打者を決定的に ソフトバンクの周東は圧巻49盗塁

○首位打者
オリックスの吉田正尚が打率.350でタイトルを決定的にした。7日でシーズンを終え、成績が確定。2位につけているソフトバンクの柳田悠岐は.341で、1試合を残しているが、仮に6打数6安打を放っても届かない状況となっている。

○最多安打
柳田が145安打でタイトルを確定的に。2位の吉田正は143安打、3位の楽天の鈴木大地は141安打でシーズンを終えた。4位につける日本ハムの西川遥輝は128安打で、1試合を残すものの追いつくことは不可能な状況だ。

○最多本塁打
楽天の浅村栄斗が32本塁打でリーグトップ。2位につける日本ハムの中田翔は31本塁打で、わずかに1差。日本ハムは1試合を残しているため、中田の成績次第では同時受賞や逆転の可能性もあり得る。3位は柳田の28本塁打となっている。

○最多打点
中田が107打点でタイトルを確定的に。2位の浅村は104打点でシーズンが終了。3位の柳田は84打点で1試合を残すが、現実的に追いつくことは不可能の状況となっている。

○最高出塁率
日本ハムの近藤健介が出塁率.465でタイトル獲得が濃厚になっている。2位の吉田正は.453でシーズン終了。3位の柳田は1試合残すものの、.446と離されている。

○最多盗塁
ソフトバンクの周東佑京が49盗塁で初のタイトルを決定的にしている。2位の西川は7差の42盗塁で1試合を残すが、逆転は難しそうだ。周東は日本記録を更新する13試合連続盗塁をマークするなど、シーズン後半にかけて量産した。(Full-Count編集部)

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