防御率は僅差、中継ぎ&出塁率は同僚での争い…セ個人タイトルの最終局面は?

巨人・菅野智之【写真提供:読売巨人軍】

巨人・菅野は最多勝と最高勝率の2冠が確定的に

新型コロナウイルス感染拡大の影響で120試合に短縮された今季も残り数試合。セ・リーグは巨人が連覇、パ・リーグはソフトバンクが3年ぶりの優勝を飾った中、個人タイトル争いも佳境に入っている。すでに当確ランプが灯った部門がある一方で、最後の最後までもつれそうな部門も。今回はセ・リーグの現状を見てみる。

○最多勝
開幕から13連勝を挙げた巨人の菅野智之がここまで14勝で3年ぶり3度目のタイトル獲得が決まった。中日・大野雄大、阪神・西勇輝が11勝で2位タイにつけるが、残り試合数での逆転は不可能に。調整の難しい異例のシーズンも、各球団のエースが争う結果となった。

○最高勝率
ここまで19試合で14勝2敗の菅野が勝率.875で堂々のトップ。広島のルーキー森下暢仁が18試合で10勝3敗で.769と健闘したが及ばなかった。3位は西勇の.688、4位は大野雄の.647となっている。

○最優秀防御率
大野雄が防御率1.82でリーグトップ。2位に森下が1.91で続く。僅差の争いで、仮に次回の登板で森下が6回1/3を自責点0に抑えれば、逆転する。大野雄も日程的にはあと1試合の登板が可能で、最後の最後まで小数点以下の争いは続きそうだ。

○最多セーブ
阪神のロベルト・スアレスが25セーブを挙げ、初のタイトルを決定させている。21セーブで2位につけていた中日のライデル・マルティネスは10月21日に出場選手登録を抹消され、及ばなかった。2年連続最多セーブだったDeNA山崎康晃は6セーブにとどまっている。

○最優秀中継ぎ
中日の勝利の方程式を担った祖父江大輔と福敬登がそれぞれ30ホールドポイントでトップタイ。ヤクルトの清水昇が29ホールドポイントで続く。中日は残り1試合、ヤクルトは残り2試合となる中、最後まで熾烈な争いになりそうだ。

○最多奪三振
大野雄が148奪三振をマークしてタイトルを確実に。2位の菅野は126奪三振で、24個差ついている。3位は森下で124奪三振、4位は西勇の115奪三振となっている。

中日・大島は最多安打、阪神・近本は盗塁王を2年連続獲得か

○首位打者
打率.328でトップに立つDeNAの佐野恵太は10月27日に出場選手登録抹消に。規定打席には達しているが、2位には同僚の梶谷隆幸が.325でつけている。DeNAは残り2試合あり、梶谷の成績次第では逆転の可能性もある。

○最多安打
中日の大島洋平が146安打で、2年連続のタイトルを視野に。2位には梶谷が140安打でつける。中日は残り1試合、DeNAは残り2試合あるが、6本差の逆転はハードルが高そうだ。

○最多本塁打
巨人の岡本和真が31本塁打でトップに立ち、初の栄冠を視界にとらえた。11月7日のヤクルト戦(東京ドーム)で1試合2発のラストスパートをかけ、28本塁打で2位に並ぶヤクルトの村上宗隆と阪神の大山悠輔とは3本差に。巨人は残り3試合、阪神とヤクルトは残り2試合あり、爆発次第では最終盤での逆転もあるか。

○最多打点
岡本が95打点を挙げ、本塁打王と合わせて“2冠”を視野に入れている。2位の村上は86打点で9差をつけている。3位は大山の85打点、4位は中日のダヤン・ビシエドの82打点となっている。

○最高出塁率
村上が出塁率.426でリーグトップ。2位には同僚の青木宣親が.425と僅差で競る。残り2試合で情勢が動くことは十分にあり得る。3位は広島の鈴木誠也が.405、4位は佐野が.395となっている。

○最多盗塁
阪神の近本光司がリーグダントツの31盗塁をマークし、2年連続のタイトル獲得が濃厚に。2位でつける巨人の増田大輝は23盗塁で、8差をつけている。3位の大島、広島の堂林翔太が16盗塁で、近本が圧倒した形となっている。(Full-Count編集部)

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