コラム凡語:ジャンボの生産終了

©株式会社京都新聞社

 日本航空の協力で撮影された1980年代の人気ドラマ「スチュワーデス物語」を見て、航空業界にあこがれた人も多かったのではないか。主演の堀ちえみさん、風間杜夫さんらが「ジャンボ機」の前を隊列を組んで歩く姿が印象的だった▼その愛称で親しまれた「ボーイング747」機の生産が2022年で打ち切られる。就航から半世紀、新婚旅行や出張で初めて乗ったのがジャンボ機だったと懐かしむ人もいるだろう。従来の2倍の乗客を運ぶことができ、大量輸送時代の立役者となった▼開発チームの4500人を率い、「ジャンボ機の父」と呼ばれたのが故ジョー・サッター氏だ。著書で、大西洋単独無着陸飛行で知られるリンドバーグから「空の旅をぐっと身近なものにした」と言葉を掛けられ、苦労が報われたと述べている▼その生産終了は、新型コロナウイルス流行が要因という。世界中で航空需要が干上がる中、業界全体が大きな軌道修正を余儀なくされている▼運休・減便が続く航空各社は、大型機や要員の削減、路線の見直しに着手。三菱重工業が進めてきた国産初のジェット旅客機の事業化も凍結となった▼ドラマで流れた「ああ果てなく拡(ひろ)がる世界に…」の歌詞は空の旅へと人々を誘った。世界をつなぐ翼の需要は戻ってくるだろうか。