伊藤、石川の相手はともに韓国選手 本戦スタート<卓球・女子W杯2日目見どころ>

<ITTF 女子ワールドカップ 2020年11月8日~10日>

8日、中国威海市で行われている女子ワールドカップは初日を迎え、予選リーグが終了し本戦出場者が決定した。

予選リーグでは各グループ3~4名で構成されて上位2名が本選へ駒を進めることができる中、グループ2ではアドリアーナ・ディアス(プエルトリコ)、チャン・リリー(アメリカ)、マルガリタ・ペソツカ(ウクライナ)が同じポイントで並び、得失点差でアドリアーナ・ディアスとチャン・リリーが本戦出場をつかみ取った。

また、グループ3ではドイツの主砲、ペトリッサ・ゾルヤが3位となり、本戦出場を逃すという波乱の展開も起きた。このほか、カットマンのハン・イン(ドイツ)や徐孝元(ソヒョウォン・韓国)、Tリーグ・日本生命レッドエルフにも所属する陳思羽(チェンズーユ・チャイニーズタイペイ)らがそれぞれのグループで勝ち上がり、本戦へと進んだ。

写真:徐孝元(韓国)/提供:ittfworld

大会2日目となる9日は、本戦1回戦と準々決勝が行われる。

1回戦組み合わせ

陳夢(チェンムン・中国)– ベルナデッテ・スッチ(ルーマニア)
チャン・リリー – 馮天薇(フォンティエンウェイ・シンガポール)
ソフィア・ポルカノバ(オーストリア)– ハン・イン
ウー・ユエ(アメリカ)– 鄭怡静(チェンイーチン・チャイニーズタイペイ)
孫穎莎(スンイーシャ・中国)– アドリアーナ・ディアス
石川佳純(全農)– 徐孝元
杜凱琹(ドゥホイカン・中国香港)– 陳思羽
伊藤美誠(スターツ)– 田志希(チョンジヒ・韓国)

石川は初戦で韓国のカットマンに挑む

予選を勝ち上がった8名と、世界ランキング上位者8名で行われる決勝トーナメント。1回戦から各国代表選手が火花を散らす熱戦が予想される中、日本からは石川佳純(全農)と伊藤美誠(スターツ)の2名が世界ランキング上位者として本戦から出場する。

写真:コンディションを整える石川佳純(全農)/提供:ittfworld

石川は韓国のカットマン・徐孝元と対戦することとなった。過去の対戦成績では11勝3敗と石川が勝ち越しているが、徐孝元も予選を危なげなく通過している。徐孝元は右利きのカットマンで、攻撃力の高さとカットの変化量に特徴がある。カットの回転量はスイングからは予測が難しく、カット打ちの得意な選手ですらドライブミスが多くなる。

石川は、徐孝元の鉄壁の守備を打ち破ることができるか。

“大魔王”伊藤、万全の状態で初戦へ

中国から“大魔王”と呼ばれるようになった伊藤もまた、初戦で韓国の主力選手の1人である田志希と対戦する。

今大会に向けて、「2020 JAPAN オールスタードリームマッチ」を欠場し練習に励んでいた伊藤は、会場に入ってからもリラックスした様子で調整を行う。11月に更新された最新世界ランキングでは陳夢に次ぐ2位だ。

写真:サービスに集中する伊藤美誠/提供:ittfworld

対する田志希は、予選リーグで接戦を繰り広げ2位で通過している。左利きの攻撃型で、早い打点でのバックハンドと強烈なフォアハンドが持ち味だ。また、サービスもスピードがあり試合展開がとても速い。伊藤もまた、前陣でのフォアハンドの強打と自由自在に操るバックハンドの表ソフトの攻撃で速い試合展開を得意としている。

試合展開の速い田志希に対して、伊藤はどのような戦術をとるのか注目だ。

ハイレベルな女子W杯

写真:世界ランキング3位の孫穎莎/提供:ittfworld

今大会は各国から2名が代表として選出、出場している。陳夢、伊藤、孫穎莎と世界ランキングトップ3が出場しており、ハイレベルな試合が続くことが予想される。

新型コロナウイルス流行による大会自粛期間から明けて、各国代表選手が万全の状態で臨んでいる中で、石川、伊藤両選手がどこまで勝ち上がることができるのか見物だ。

予選リーグ結果

グループ1

1位 ハン・イン(ドイツ・本戦出場)
2位 田志希(韓国・本戦出場)
3位 ブリット・エーラント(オランダ)

グループ2

1位 チャン・リリー(アメリカ・本戦出場)
2位 アドリアーナ・ディアス(プエルトリコ・本戦出場)
3位 マルガリタ・ペソツカ(ウクライナ)
4位 チャン・モー(カナダ)

グループ3

1位 陳思羽(チャイニーズタイペイ・本戦出場)
2位 ウー・ユエ(アメリカ・本戦出場)
3位 ペトリッサ・ゾルヤ(ドイツ)

グループ4

1位 徐孝元(韓国・本戦出場)
2位 ベルナデッテ・スッチ(ルーマニア・本戦出場)
3位 ディナ・メシュレフ(エジプト)

文:ラリーズ編集部

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