日本の手厚い産後ケアに感謝…日ハムマルティネスが明かす来日の舞台裏とは?

日本ハムのニック・マルティネス【写真:石川加奈子】

日本野球は「スタイルそのものがまるで違う。基本的なことを重視」

来日1年目の2018年に10勝を挙げた日本ハムのニック・マルティネス投手。3年目の今季は勝ち星こそ2勝に終わったが、主に先発の一角として奮闘した。そんな右腕に対して米メディアがインタビューを行い、来日の経緯や日本野球への順応について語っている。

18年は25試合に登板して10勝11敗、防御率3.51の成績を残したマルティネス。昨季は相次ぐ故障で1軍登板なしに終わったが、今季は開幕ローテとしてシーズンを迎えた。ただ、勝ち星には恵まれず、17試合で2勝7敗、防御率4.62の成績だった。

マルティネスは、米スポーツ動画メディアサイト「Lax Sports Network/ For The Fans」のインタビューに応じ、日米の野球の違いに言及。「スタイルそのものがまるで違うね。ここ(日本)では基本的なことを重視している野球をしている。僕は3年目のシーズンだけど、アメリカ出身でアナリティクスに慣れた新しい選手にとってみれば、日本に来るとどちらかと言えばオールドスクールのスタイルに順応し直さないといけなくなるね」と話している。

インタビューの中では、来日した経緯も紹介。妻が妊娠3か月の状態で「日本に来ることは僕としては最初予定していなかったんだ」とマルティネス。日本で出産を迎えることに対して懸念もあったというが「彼女は受け入れていた。最終的にすごく気に入ることになったんだ」とも。出産後しばらくは病院でケアをしてくれる日本医療に対して「本当に素晴らしかったよ。24時間体制で、コールすれば11人くらいの看護師が対応してくれる。彼女にとって素晴らしい経験だったよ」と感謝した。

そして、日本でプレーした経験について話が及ぶと「ここで僕はたくさん学んだ。1球1球に対して集中することだったりね。そして、良い回転数のボールを投げることの重要性も時間をかけて学んだ。高めに投げること、そしてオフスピードピッチを低めに集めることの重要性をたくさん学んだ」と強調。母国とは異なるプレースタイルの野球に触れ、粘り強い日本の打者との対戦を重ねたことで、自身の成長を実感したことを明かしている。

来日前には家庭的な事情で懸念を抱えいてたマルティネス。しかし、手厚いケアにも助けられて妻は無事に出産し、1年目からの躍進を支えた。日本野球にも適応し、右腕にとっては異国の地での経験はかけがえのないものとなっているようだ。(Full-Count編集部)

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