最高峰クラス初優勝のミル「金曜は難しい状況だったが土曜に変わった」/MotoGP第13戦決勝トップ3コメント

 MotoGP第13戦ヨーロッパGPの決勝レースがスペイン・バレンシアのリカルド・トルモ・サーキットで行われ、MotoGPクラスで表彰台を獲得したジョアン・ミル(チーム・スズキ・エクスター)、アレックス・リンス(チーム・スズキ・エクスター)、ポル・エスパルガロ(レッドブル・KTM・ファクトリーレーシング)が会見に登場。レースを振り返り、チャンピオンシップへの展望などを語った。

■ジョアン・ミル(チーム・スズキ・エクスター)/決勝:優勝

2020年MotoGP第13戦ヨーロッパGP ジョアン・ミル(チーム・スズキ・エクスター)

「すばらしい気持ちだよ。ついに優勝したんだから。正直、とても厳しかった。チャンピオンシップはすごく接近していて、いつもリスクとスピードの妥協点を見つけないといけなかった。でも、今日のバイクはすごくよく機能した。勝てるバイクだったんだ。その機会をうまく使った。すごくうれしい。スズキにとってもワン・ツーフィニッシュだ。シーズン序盤には、想像できなかったよ。この形を継続していこうと思う。チャンピオンシップとしてもすごくいい」

「今週はシーズンのなかでもベストなウイークだったよ。金曜日は難しい状況で、ウエットコンディションでも、ウエットパッチが残るドライコンディションでも苦戦して始まった。セットアップを見つけるのが難しかったんだ」

「でも、土曜日には完全に変わった。バイクはよく走ったし、今日のウオームアップセッションでは初めてのドライコンディションだったわけだけど、バイクがすごくいい感じだとわかったんだ。それで、今日は優勝に挑む日かもしれないと思っていた」

「(チャンピオンシップについて)今まで以上に、うまくやらないといけない。ポイントについてはアドバンテージがある。これはいいことだけど、まだ終わっていない。いい方法でポイントを重ねていかないといけない。とても重要だろう。バイクが機能しているから、いいポジションにいるのだと思う」

「たぶん、もし今日のような感じがあれば、優勝に向けて挑戦すると思う。(チャンピオンシップを)考えない。でも、タイヤで苦戦しているような場合だったり、後方にいる場合は、自分ができることを考えるだろうね。全力を尽くして日曜日の結果になると思う」

■アレックス・リンス(チーム・スズキ・エクスター)/決勝:2位

2020年MotoGP第13戦ヨーロッパGP アレックス・リンス(チーム・スズキ・エクスター)

「チャンピオンシップで20ポイントを獲得できた。すばらしいことだ。もちろん、優勝したかったけれどね。僕たちはうまくいっていると思う。たくさんポイントを得られたから満足している。あとは残り2レースで、ジョアンとは37ポイント差だ。なんでも起こり得ると思うよ。ジョアンはとても安定したライダーだけれど、今日のレースからもっと改善していく。リヤ側に少し悩まされていたんだ」

「レースをリードしているときはとても快適に走っていた。最終ラップでのパフォーマンスに備えて、リヤタイヤはできるだけセーブしていた。でも、11コーナーで、ギヤで小さなミスをしてしまった。それでトップから後退してしまった。ジョアンとの差をキープしようとしたけれど、毎周、彼が差を広げていくのがわかって、考えを変えたんだ。後ろのポル(・エスパルガロ)がとても速かったからね」

「(フロントにハードを履くと言う選択は)なかった。ミディアムタイヤを使うということははっきりしていた。ジョアンはわからないけど、だいたい同じなんじゃないかと思うよ。来週のコンディションによっては、フロントにハードを履けるか試したい。ポルはハードブレーキングで0.1秒詰めて来ていたから」

■ポル・エスパルガロ(レッドブル・KTM・ファクトリーレーシング)/決勝:3位

2020年MotoGP第13戦ヨーロッパGP ポル・エスパルガロ(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)

「スズキのライダーたちはすごく速かった。バイクだけではなくて、走りがすごくよかったよ。今日、とても重要だったのはレース前、ピットでのタイヤ選択だった。ギャンブルではなかったけれど、コース上が暖かくなってきたから最終的に決断した。フロントにミディアムタイヤを履くところだった。午前中では悪くなかったからね」

「でも、気温が上がりはじめていた。ブレーキングで苦戦するだろうとわかったんだ。もしブレーキで苦戦すれば、レースは終わってしまう。だから、フロントにハードタイヤ、リヤにミディアムタイヤを履いたよ。週末を通じて、このタイヤを使ったのはまったくもって初めてだった。事前にここでテストチームがテストをしたんだけど、それでもフロントにハードは使わなかった。だから、僕がそれを初めて履いたことになる。バレンシアではある意味、ギャンブルと言えるかもね。でも、ナッシング・オア・オールだと思っていたから」

「序盤はうまく1番手からスタートできて、フロントタイヤは2、3周で温まった。それからアレックス(・リンス)とミルが僕を交わし、彼らの後ろについて走ったよ。そのおかげでフロントタイヤは温まって、フィーリングはさらによくなっていった。すべてのラップで限界だったけれど、あとは何もできなかったよ。だから、全力を尽くして、このポジションにいられることがうれしい」

「(次戦に向けては)このタイヤをもう少し使いたい。改善できるポイントがいくつかあるんだ。そんなに大きくはないんだけど、ある場所ではスズキは素早く旋回し、そして特にスロットルの開け始めが速かった。たぶんそれを改善すれば、半周で0.1秒くらいよくなるんじゃないかと思う。ただ、終盤に挑むには十分ではない。でも、今日はすごくよかったと思っているんだ。すごくハイレベルだった。すばらしい仕事をしてくれたチームに感謝したいよ」

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