ドイツ軍艦爆発事故の犠牲者悼み墓前祭 コロナで規模縮小

ドイツ軍艦爆発事故の慰霊碑に菊の花輪を供えて敬礼する在日ドイツ大使館の駐在武官=根岸外国人墓地

 1942年に横浜港で起きたドイツ軍艦爆発事故で犠牲になったドイツ人乗員らを悼む墓前祭が9日、根岸外国人墓地(横浜市中区)で営まれた。住民らが40年前から続けてきたが、新型コロナ禍の今年は規模を縮小。約20人が慰霊碑に哀悼の祈りをささげた。

 在日ドイツ大使館の駐在武官カースティン・キーゼヴェッター大佐とアンネ・クルツァフスキ海軍曹長も参列。「ドイツ人乗員 ここに眠る」と刻まれた慰霊碑に白い菊の花輪を供えて敬礼した。

 大佐は謝意を述べた上で、「私たちがともにいることはドイツと日本を結ぶ深い友情の証しだ」とあいさつ。墓前祭の世話役で40年にわたり慰霊碑の調査や清掃に協力してきた有馬弘政さん(84)は、6月に地元望洋自治会の会長を退任したとし、「元気なうちはお手伝いするが、来年以降は皆さんで続けてほしい」と行事の継続を呼び掛けた。

 事故は42年11月30日に発生。新港ふ頭に着岸していたドイツの高速輸送艦「ウッカーマルク」など4隻が大爆発し、計102人が亡くなった。

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