災害時の物資輸送、河川や桟橋使えそう? 横浜で実証実験

食料などの緊急物資を船に積み込む参加者=8日午前、石川町仮設桟橋

 かつて運河として使われた河川を活用し、緊急物資を船で輸送する実証実験が8日、横浜市中心部で行われた。災害で道路寸断といった被害が生じた場合は、水上交通などの桟橋が防災拠点として機能することを確かめた。

 実証実験は、JR石川町駅近くの中村川に設けた仮設桟橋で備蓄食料と飲用水を船に積み込み、約1.5キロ離れた京急線日ノ出町駅近くの大岡川にある横浜日ノ出桟橋まで、1時間ほどかけて運んだ。同桟橋は観光船など水上交通の拠点として活用されている。

 初黄・日ノ出町環境浄化推進協議会が主催する防災訓練に合わせ、複数の町内会が協力して実施。市民ら約100人が参加し、届いた食料を使った炊き出しの手順も確認した。同協議会の伊藤哲夫会長は「災害時には近隣の助け合いが必要。大岡川や桟橋を防災に役立てたい」と話した。

 石川町1丁目町内会の副会長で、市民団体「HamaBridge濱橋会」の大島重信理事長は「石川町は仮設桟橋だが、桟橋のある町同士が緊急時に連携して物資や人を運ぶことができる」と述べ、桟橋活用に手応えを感じていた。同団体は14、15の両日、水辺の魅力を発信するイベント「よこはま運河チャレンジ」を開催する。

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