最多勝&最多安打は“史上最少”で決着 コロナ禍はパ個人タイトルにも影響か

楽天・涌井秀章(左)とソフトバンク・千賀滉大【写真:荒川祐史】

最多安打、最多セーブなどは試合数が減った影響が色濃く出た結果に

パ・リーグは9日、レギュラーシーズンの全日程を終了して個人タイトルが確定した。新型コロナウイルスの感染拡大によって開幕が3か月延期され、120試合に短縮。過密日程の異例のシーズンの影響は、各タイトルの数字にも顕著に表れた。

ソフトバンクの千賀滉大と石川柊太、楽天の涌井秀章はともに11勝を挙げて最多勝に。これまでの“最少決着”は13勝。パ・リーグでは1998年の西武・西口文也、ダイエー・武田一浩、ロッテ・黒木知宏の3人が並び、セ・リーグでは2014年の阪神・メッセンジャー、中日・山井大介が同時受賞した時だった。試合数が削減されて当然ともいえるが、今季は史上最少の白星数となった。

さらに、1994年からタイトルとして表彰されるようになった最多安打も史上最少に。今季はソフトバンクの柳田悠岐が146安打で受賞。タイトル制定以降では、2005年の西武・和田一浩の153安打が最少だった。

それに加え、投手部門では最多セーブ、最優秀中継ぎ、最多奪三振、打撃部門では最多本塁打、最多打点で試合数減の影響が色濃く出た形に。いずれも昨季に比べ、成績が下回った。

一方で、“率”で算出される成績は影響が出にくい結果に。首位打者はオリックス・吉田正尚が打率.350を残し、昨季の西武・森友哉の.329を上回った。最高出塁率は、2年連続で日本ハム・近藤健介が受賞し、昨季.422から今季.465に。勝率一位もソフトバンク・石川柊太が.786で、昨季のオリックス・山岡泰輔の.765を上回った。最優秀防御率は昨季のオリックス・山本由伸の防御率1.95の方が上回った。

コロナ禍の影響を全く感じさせなかったのは、最多盗塁。ソフトバンク・周東佑京はダントツの50盗塁をマークして育成出身選手初の栄冠を手にした。過去3年では41、44、39でタイトル獲得となっているだけに、例年に比べて23試合減ったにもかかわらず盗塁を量産し続けた周東の圧巻ぶりが顕著に出る結果となった。

【表】コロナ禍を反映? 今季のパ個人タイトルと史上最少タイトルの比較一覧

【表】コロナ禍を反映? 今季のパ個人タイトルと史上最少タイトルの比較一覧 signature

(Full-Count編集部)

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