伊藤美誠、中国越えなるか 同年代の宿敵に挑む<卓球・女子W杯最終日見どころ>

<ITTF 女子ワールドカップ 2020年11月8日~10日>

9日、中国威海市で行われている女子ワールドカップは2日目を終え、準々決勝まで行われた。

2日目総括

まずは、伊藤美誠(スターツ)が1回戦に登場。田志希(チョンジヒ・韓国)相手に、今大会で初披露となる新サービスを駆使しつつ得意のフォアハンド強打で4-1の快勝を収めた。続く準々決勝も、Tリーグ・日本生命レッドエルフにも所属する陳思羽(チェンズーユ・チャイニーズタイペイ)を寄せ付けず、4-1で勝利し、最終日に残った。

写真:伊藤美誠(スターツ)/提供:ittfworld

続いて石川佳純(全農)が1回戦に登場し、徐孝元(ソヒョウォン・韓国)相手に持ち前のカット打ちの安定感を発揮し、4-0で勝利。続く準々決勝では中国の若手・孫穎莎(スンイーシャ・中国)と対戦するも、巧みなコース取りに対応できず、0-4で敗北を喫し、準々決勝でコートを去ることとなった。

写真:隙を突いた攻撃を見せる石川佳純/提供:ittfworld

大会最終日となる10日は、準決勝と3位決定戦、決勝が行われる。

準決勝組み合わせ

陳夢(チェンムン・中国)– ハン・イン(ドイツ)
孫穎莎(スンイーシャ・中国)– 伊藤美誠(スターツ)

伊藤、何度も熱戦を繰り広げてきた宿敵と対戦

準決勝では、世界ランク1位の陳夢、同2位の伊藤、同3位の孫穎莎の世界ランクトップ3と、予選から勝ち上がってきたハン・インの4名が登場する。

写真:今大会で披露された伊藤美誠の新サーブ/提供:ittfworld

伊藤は、準決勝で同じ2000年生まれの孫穎莎と対戦することとなった。孫穎莎は右シェークの正統派で、パワーのある打球と巧みなコース取りが特徴の選手だ。1回戦でアドリアーナ・ディアス(プエルトリコ)に4-1、準々決勝では石川に4-0とストレート勝ちを収めている。

写真:孫穎莎(中国)/提供:ittfworld

両者の過去の対戦成績は1勝5敗であるが、直近の対戦ではどちらが勝利してもおかしくないスコアであるため、今試合も白熱した展開が予想される。

伊藤は今大会で新サービスを披露し、1回戦、準々決勝でもサービスエースをとる場面が多かった中国選手相手にも通用するのか見物だ。宿敵相手に、持ち前の勝負強さと落ち着きで対応することはできるか。

世界ランク1位の貫録見せる陳夢

今大会の第1シードで中国屈指のオールラウンダー・陳夢は、予選リーグを通過し勝ち上がってきたドイツのカットマン、ハン・インと対戦する。陳夢は1回戦、準々決勝ともに4-0で圧勝し、世界ランキング1位の実力を遺憾なく発揮してきている。

写真:陳夢/提供:ittfworld

対するハン・インは切れ味抜群のフォアカットを武器に、1回戦でソフィア・ポルカノバ(オーストリア)と4-3の激闘を制し、準々決勝では台湾のパワープレーヤー・鄭怡静(チェンイーチン)を4-2で下し、準決勝まで勝ち上がってきた。

写真:ハン・イン(ドイツ)/提供:ittfworld

過去の対戦成績は陳夢が2勝している。どの戦型に対しても弱点を突いた攻撃ができる陳夢と、切れ味抜群のカットで反撃のチャンスをうかがうハン・イン。どのような試合展開になるのか。こちらの試合も目が離せない。

1回戦 結果

〇陳夢 4-0 ベルナデッテ・スッチ(ルーマニア)
11-6/11-1/11-3/11-7

チャン・リリー(アメリカ) 4-2 馮天薇(フォンティエンウェイ・シンガポール)
11-7/11-8/11-9/8-11/8-11/13-11

〇ハン・イン 4-3 ソフィア・ポルカノバ
11-7/9-11/5-11/11-9/8-11/11-5/11-6

〇鄭怡静 4-0 ウー・ユエ(アメリカ)
11-5/11-4/11-4/11-3

〇孫穎莎 4-1 アドリアーナ・ディアス
11-5/11-5/11-8/8-11/11-7

〇石川佳純 4-0 徐孝元
11-8/11-7/11-5/11-4

〇陳思羽 4-3 杜凱琹(ドゥホイカン・中国香港)
8-11/11-4/3-11/10-12/11-3/11-7/11-6

〇伊藤美誠 4-1 田志希
6-11/11-7/11-7/13-11/11-7

準々決勝 結果

〇陳夢 4-0 チャン・リリー
11-8/11-6/11-3/11-9

〇ハン・イン 4-2 鄭怡静
12-10/3-11/7-11/11-9/12-10/11-6

石川佳純 0-4 〇孫穎莎
6-11/4-11/4-11/7-11

〇伊藤美誠 4-1 陳思羽
11-6/11-6/11-7/6-11/11-5

文:ラリーズ編集部

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