V長崎 エジガル2発で逆転勝利 昇格へ追い風

 明治安田J2第32節最終日(8日・正田醤油スタジアム群馬ほか=10試合)3位V・ファーレン長崎は群馬に先制されるもエジガルの2ゴールで逆転、3連勝を飾った。
 冷たい空っ風が吹く上州で、抜群の決定力を示した。加入して3試合目のエジガルジュニオが、V長崎を逆転勝利に導く2ゴール。「誰が決めたかよりも勝ち点3を取れてよかった」。ブラジル出身の頼れる点取り屋は白い歯をこぼした。
 攻勢に出ようと風上を取った前半、もくろみが外れて守勢に回り、逆に先制点も許した。この重苦しいムードを豪快な一発で吹き飛ばした。前半終了間際、ゴール前の混戦から、シュートのこぼれ球に素早く反応して右足を一閃(いっせん)。ネットを揺らすと、両拳を握り締めて雄たけびを上げた。
 勝ち越し点は、大竹とのホットラインで奪った。第19節以降、戦列を離れていた大竹は「ほとんど一緒にやれていないが、ボールを持ったら、動いてくれる印象があった」。後半14分、相手ディフェンスの背後へ、ふわりと浮き球を供給。エジガルジュニオも「いい状態で前を向いたら、パスを出すと言ってくれていた」と、視界から消えるような動きで相手を置き去りにして、裏へ流れながら頭でたたき込んだ。
 前節まで6勝7分け4敗と、不安要素もあったアウェー戦。しかも、20位ながら状態は上向きだった群馬を相手に、取りこぼさなかったのは大きい。残り10試合で、2位福岡との勝ち点差は「2」に縮まった。逆転昇格へ追い風が吹き始めている。

 


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