【MLB】大谷翔平が“四刀流”挑戦に意欲 初の一塁手&7年ぶり外野手へ「いつでもどこでも」

エンゼルス・大谷翔平【写真:AP】

今季は打撃フォームを修正できずに不振も「状態が良ければ結果を残せる自信もあります」

エンゼルスの大谷翔平投手がFull-Count編集部のオンライン取材に応じた。今季の打撃成績は44試合出場し、打率.190、7本塁打、24打点。インタビュー第2弾では打撃不振の原因を明かすと共に、開幕二刀流、さらにはプロ初の一塁手や日ハム時代の14年以来7年ぶりの外野手での出場へ意欲を燃やした。

――シーズン終了時に「距離感をつかめなかった」と話していた。具体的には何が原因であったと分析するか。
「メカニック的には簡単に言えば、重心が前にずれているところかなと思いますね。軸足(左足)でしっかり我慢できていないとか。構えをした時点で、そういう方向(投手方向)に向かってしまっているとか。いろんな条件があると思いますけど」

――重心が前にずれるということは昨季中に手術した膝が影響したか。
「(左膝の)痛みはなかったですし、違和感もなくしっかり走ったり振ったり出来ていたと思います。練習の中で、なかなか癖を直す期間もなかったので。そのままゲームで、その流れで打っていたという感じかなと思いますね」

――ポストシーズン争いをする中でスタメン外れる試合も増えた。プロでは経験なかったと思うんですが、その時の心境というのは。
「なんでしょう……。そういう時期(ポストシーズン争い中)は調子のいい選手をどんどん使っていく。その中に自分が入っていないだけだったので。そういうことかなと思います。特に何かいうのはなかったですけど、出たところで頑張りたいなと思っていました」

――悔しさより課題を克服するのに集中していたということか。
「出られない、出られないと考えることは僕はないので。自分の状態がもちろん良くて、良ければ結果を残せる自信もありますし、結果が残れば使ってもらえる自信もあります。本当にそこだけなので。自分が結果を出していないから使われない。それだけかなと思います」

――このオフは打撃でどういったことに取り組んでいるか。現在は投手としてのリハビリが中心か。
「いや、振ってますよ。今日も打ってきました。さっき言った点と、打撃も振り心地が大事なので。やっぱり自分で打ってる感じより、打球がどれだけ飛んでいるか、どういう感じで出ていっているか。感覚の部分ではあると思いますけど、効率よく球を飛ばせている、球を投げられているなというのが自分の中にあるかが凄く大事。それをするために、どういう風に動いていけばいいか、どういう風に自分が動いているかをしっかり理解しないといけない。自分の特長を含めて、そこを理解していることが大事ですし、いい時の感覚がどうなっているかが大事。その感覚を出していける練習はどういうのが合うのか。練習法も1つ1つ確認していくのも大事かなと思います」

――チームにはトラウトやプホルス、今年はレンドンもいた。もちろん右左、タイプも違うが、参考にしていることはあるか。
「いい選手に共通しているメカニック的な動き方、構えがあると思っています。トラウト選手もレンドン選手もプホルス選手もアップトン選手もそうです。いっぱいいい選手がいる中で、勉強になることはもちろんたくさんあると思います。必ずしも自分に合っているかは分からないですけど、それも1つ1つ試して、『これ違うな』『これいいな』とか合う、合わないは必ず出てくるので」

――そういう打撃の話は自ら聞きに行くのか。
「結構、ケージで『ああでもない。こうでもない』と話をしています。打撃の話をするのがみんな好きなので。ロッカーでもこんな話ばかりをしていたりするので。聞いているだけでも面白いなと思いますね」

シーズン中に一塁手、外野手で守備練習「一塁はアマチュアの時に何回かありました」

――マドン監督は来季も二刀流を継続すると。大谷選手もやはり開幕二刀流を思い描いているか。
「そうですね。もちろん、そこ(開幕)に向けてやっています。キャンプから行きたいなと思っています。毎年毎年そうですけどね」

――ビリー・エプラーGMが今季限りで退任となった。最後に話はできたか。
「最後に話した時は来年もやるつもりの中での会話でした。シーズン終わってから終わりという報道が出たので。それ以降は直接お会いする機会はなかったですけど」

――エプラーGMは日ハム時代から二刀流を評価していた1人だ。
「最初から最後まで信頼して、僕も信頼していました。向こうも信頼して使い続けてくれたので。3年間でポストシーズン行けなかったのはすごく申し訳ない気持ちは強いので。今年行っていれば、もしかしたら来年も一緒にやる機会もあったと思うので。そこが一番心残りかなと思います」

――今季中は守備練習も行っていた。二刀流の起用法についても変わるのでは。
「もちろん投げて打ってが基本のベースになると思うので。プラスしてファースト、外野を守れたりとか。160試合があれば、どこかで自分自身ができれば、チームとしての幅も広がるし、全体的に回りやすくなると思います。いいことだと思いますけど」

――日ハムの時は外野手をやっていた。一塁守備をやるのは。
「もちろんプロではないですね。アマチュアの時に何回かありました。打球が飛んでくることは少ないと思うので、(送球処理の)ハンドリングが大事かなと思います。一塁には一塁の難しさがあると思うので。一塁手は投内連係、その辺りの守備が一番難しいところではあると思うので、それ以外の打球はなるべく前に落として、しっかり1個(アウト)を取るのが基本。難しい打球を取れ、ということではないと思うので、基本をできることが何でも大事だと思います」

――可能性を広げるという意味では出場機会は増える。
「やってほしいと言われたらいかないといけない。『できません』と言ってる暇はないので。『いつでも出来ます、どこでもいけます』と言えるだけの自信があるかどうかを高めていくのが練習なので。いろんなことを想定して、やる必要はあるかなと思います」

――3年やって一人前というが、メジャーで3年。二刀流をやることの難しさを感じているか。
「そうですね。日本でももちろんそうでしたけど、簡単にできると思っていないので。簡単に結果を出せるとも思っていないです。その中で、やらせてもらえる環境があるというのも、また恵まれていることだなと思います。最初の頃より(二刀流に対して)プラスの意見も多いと思う。その中でしっかりと自分が頑張って結果を出せれば、全然いけるんじゃないかなと思っていますけどね」(小谷真弥 / Masaya Kotani)

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