最優秀監督賞 アはキャッシュ、ナはマティングリーが受賞

日本時間11月11日、2020年シーズンの最優秀監督賞の受賞者が「MLBネットワーク」の番組内で発表され、アメリカン・リーグはケビン・キャッシュ(レイズ)、ナショナル・リーグはドン・マティングリー(マーリンズ)が選出された。両者とも初受賞。レイズからは2008年と2011年に受賞したジョー・マドン(現エンゼルス監督)に次いで2人目(3度目)、マーリンズからは2003年のジャック・マッキーンと2006年のジョー・ジラルディ(現フィリーズ監督)に次いで3人目となった。

現在42歳のキャッシュは今季がレイズの監督に就任して6年目のシーズン。過去2年間はファイナリストに名を連ねながらも、いずれも3位に終わっていたが、スター不在のチームをリーグ最高勝率(40勝20敗)に導いたことが高く評価され、嬉しい初受賞となった。

オープナー戦法など球界の常識にとらわれない戦い方で知られるレイズは、今季もキャッシュの下で持てる戦力を最大限に活用。60試合制の短縮シーズンにもかかわらず、59通りのスタメンを組み、史上最多タイとなる12人の投手がセーブを記録した。状況に応じて選手を使い分け、リーグ最高勝率という結果を残したキャッシュの采配は高く評価されている。

キャッシュは1位票22、2位票5、3位票1で合計126ポイントを獲得。1位票5のリック・レンテリア(ホワイトソックス)が2位、1位票2のチャーリー・モントーヨ(ブルージェイズ)が3位となり、4位のボブ・メルビン(アスレチックス)にも1票だけ1位票が投じられた。

一方、現在59歳のマティングリーは今季がマーリンズの監督に就任して5年目のシーズン。ドジャースの監督時代(2011~15年)には3度の地区優勝(2013年から3年連続)を成し遂げているが、これまで3位以内に入ったのは1度だけ(2013年に2位)だった。現役時代の1985年にア・リーグMVPを受賞しており、MVPと最優秀監督賞を受賞するのはフランク・ロビンソン、ドン・ベイラー、ジョー・トーレ、カーク・ギブソンに次ぐ史上5人目の快挙となった。

今季のマーリンズは戦前の予想を覆して31勝29敗でナ・リーグ東部地区2位となり、2003年以来17年ぶりのポストシーズン進出を達成。開幕直後に新型コロナウイルスのクラスターが発生して18選手が陽性となり、ロースターの大幅な入れ替えを強いられたが、それを乗り越えて予想外の快進撃を続けた。

マティングリーは1位票20、2位票8で合計124ポイントを獲得。1位票6のジェイス・ティングラー(パドレス)が2位となり、3位のデービッド・ロス(カブス)、4位のブライアン・スニッカー(ブレーブス)、5位のデーブ・ロバーツ(ドジャース)、7位のクレイグ・カウンセル(ブリュワーズ)にも1位票が1票ずつ投じられた。

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