「燃えない首里城」完成 この道50年のベテランがアルミ製の模型で早期再建願う

 【沖縄】建築業やアルミ加工に携わって約50年の狩俣昌幸さん(88)=沖縄市=が、アルミ製の首里城の模型を作った。昨年10月の焼失で心を痛め「燃えない首里城を作ろう」とアルミの端材を使い、写真を基に製作した。模型の展示を希望する施設などがあれば「寄贈したい」と話している。

 焼失まで実際の首里城は見たことがなかったという狩俣さん。「もったいないことをした。見に行っておけば良かった。焼けてしまって寂しい」と語る。早期再建を願い、昨年12月ごろから模型を作り始めた。

 写真を見ながらアルミ材を加工してビスで固め、柱や赤瓦の屋根などを少しずつ製作した。

 完成した模型は幅約1メートル40センチ、高さ約70センチ。電気の配線も施し、スイッチを入れると照明が点灯する。アルミの切り口を抑えるためフクロウの人形を貼り付けるなど、遊び心も取り入れた。

 狩俣さんは「みんなが首里城の姿形を忘れてしまわないよう、模型にして残したかった。早期再建を願っている」と話した。問い合わせは狩俣アルミ工業所(電話)090(3190)2321。

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