違憲違法性認めないなら拒否処分取消訴訟提起を

 文部科学事務方トップだった元文部科学事務次官・前川喜平氏はツイッターで日本学術会議の会員推薦に対し、菅義偉総理が6人の任命を拒否した問題に関し、大浜啓吉早稲田大学名誉教授(法学博士)が「総理の任命拒否が違憲・違法であること」を証明したうえで、任命拒否された6人の救済について触れている部分を紹介した。

 大浜教授は岩波書店の雑誌「科学2020年12月号」の「市民社会と法」「学術会議問題の考え方」=印刷前の11月24日まで特別公開=の中で(1)任命拒否が違憲・違法であることを詳細に論じるとともに(2)任命拒否された6人の救済についても提起した。

 この中で、救済のためには「菅総理大臣が正しい認識をもって、違法処分を取り消し、任命すること」とまず、総理が任命することを求めた。

 そのうえで「あくまでも違憲・違法性を認めないのであれば、違法な拒否処分の取消訴訟と義務づけ訴訟を併合提起するべきであろう」と提案した。

 前川氏は菅総理が日本学術会議に民間研究者を増やすべきとの考えを語っていることに対してツイッターで「学術会議の民間研究者を増やす必要はない」と反論。理由は「学術の目的は経済的価値の追求ではなく、学問的価値=真理の追究だ。民間研究者は科学技術イノベーション会議に居れば良い。文部科学省に科学技術・学術政策局、科学技術・学術審議会、科学技術・学術政策研究所があるのは『学術と科学技術が別物』だからだ」と説明している。日本経済団体連合会の中西宏明会長は記者会見で、学術会議の問題に関しては「コメントは差し控えたい」と距離を置いた。(編集担当:森高龍二)

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