長崎県求人サイト 「保いっぷ」開設1年 潜在保育士37人就職

 保育士不足が全国的な課題となる中、資格があるのに働いていない「潜在保育士」を掘り起こし、長崎県内の保育施設とマッチングさせようと、県が昨年11月に開設した求人サイト「保いっぷ」。今年10月末時点で、求人198件に対し、求職者は43人。このうち37人が保いっぷを活用して就職していたことが県のまとめで分かった。県は「求人に対する求職者がまだまだ少ない。認知度を上げ、求職者を倍増させたい」と意気込む。
 県と県保育士・保育所支援センターが連携して開設した保いっぷは、人材登録の手続きがパソコンやスマートフォンで完結できるほか、求人情報を検索し、施設の所在地や給与、就業時間などの詳細な情報も閲覧できるのが特徴だ。
 県が20~60歳の潜在保育士を対象に実施したアンケートでは、就職していない人の約7割が希望する勤務形態を「非常勤」と回答。県こども未来課は「ブランクがある人や子育て中の人は、常勤よりも時間が短い非常勤を望む傾向が強い」と分析。「ニーズはあるので、さらなる掘り起こしに努めたい」とする。
 県は潜在保育士と保育施設のマッチングのほかにも、新卒の保育士の人材確保にも力を入れている。16年度から始めた「保育士修学資金貸付事業」は、保育士を養成する短大などに通う学生らが対象。毎月5万円(2年間で最大120万円)を貸し付け、県内の保育施設に5年間(離島や過疎地域などは3年間)就職した場合、返済を全額免除する制度で、本年度までに計489人が活用した。県は来年度も70人程度を募集する予定で、新卒の県内定着を後押しする考えだ。

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