楽天・石井新監督、GM兼任に葛藤も「中途半端に」「僕でいいのか」 会見一問一答

会見に臨んだ楽天・石井一久GM【写真提供:楽天野球団】

「リリーフから構築していくのがセオリーだが、GMの僕の力不足でできなかった」と反省も

今季パ・リーグ4位に終わった楽天は12日、石井一久取締役GMが来季監督を兼任する異例の人事を発表した。正式名称は「取締役GM(ゼネラルマネジャー)兼監督」。オンライン会見に臨んだ石井新監督との主な一問一答は次の通り。

「まず、(2018年9月に)GMに就任した時から、僕の使命は常勝チームにすること、骨太なチームにすることと肝に銘じてやってきた。監督になっても、そのスタンスは変わらず、しっかりやっていきたい。イーグルスを、東北の皆さまに愛されるだけではなく、愛されながら強いチームにすることが最終的な僕の使命だと思う。しっかり覚悟を持って取り組んでいこうと思ってます。物事がすごく変化する時には、勇気、覚悟が大事になる。何を言われようが、ぶれずにしっかり邁進するだけだと思っています。短期的な勝利も大事だが、中期的に底力をつけて、あの時があったから今があると言われるような、意欲的なチームにしていきたい」

──監督就任を受諾した心境
「簡単なことではないが、今をなんとかしっかり乗り越えていかなければ、このチームの歴史ができない。その一歩をしっかり踏んでいきたい」

──GM職と監督を兼務することについて
「僕でいいのかな、とは思った。今年の結果に対しては、(GMとして)自分自身の反省もある。しっかり腰を据えて、というか、自分が中心になってこのチームを動かしていかないといけないと思う」

──今季のチームへの評価は
「ポテンシャルのあるチームだが、勝負弱いと思っている。それが今シーズンに出たのかなと思う。来季、そこをしっかり作り変えて骨太のチームにしていきたい」

──どんなチームにしていくのか
「このチームの良さもあるので、それは壊さず、弱い所をもう1回作り直して、いろんなことに対応できるチームにしていきたい。打ち勝つ野球もそうだが、守り勝つ野球も含め、いろんなバリエーションを作ることで強いチームになると思う。どんな野球にも対応できるチームにしていきたい」

「2013年の楽天の日本一は、僕のプロ野球生活の中で忘れられない一コマ」

──選手たちにメッセージを伝えるとすれば
「ここで伝えることではない。練習が始まった時に、選手個々に伝えたい。ただ、今年の悔しさは、最終戦後にみんなの目を見ていて感じたし、僕自身も悔しかった。この悔しさを晴らすには結果を出すしかない」

──GMとしては救援投手陣の整備が最優先と語っていた
「後ろ(リリーフ)のピッチャーから構築していくのがセオリーではある。僕の(GMとしての)力不足でできなかったから、逆転負けが多かったり、いろんなことが起きた。整備に時間をかけて、来年に臨みたい」

──GM兼任監督のメリットは
「こういうところが足りないとか、弱いとか、強いとか、現場に入って初めて把握できることも多い。それが編成に生きてきたりもする。外からより、中からの方が見えやすいこともある。一方で、外から見ることも大事。いろんなものを組み合わせて、チーム作りをしたい」

──GMと監督を兼任する葛藤、悩みは
「中途半端になるんじゃないか、しっかり責務を果たせるのか、という思いもあった。いろんなことを考えた。ただ、2013年の楽天の日本一は、僕のプロ野球生活の中で忘れらない一コマになっている。あの景色を東北の皆さまにもう1度見せたい。東北に住んでいたわけでもない、縁もゆかりもなかった中で、僕が東北楽天ゴールデンイーグルスに来た理由は、あの景色を2度、3度と実現したいという気持ちだけだった。最終的に、その思いが背中を押してくれたのかなと思う」

──「何を言われても」と強調したのはなぜか
「この仕事って、非難いっぱい、称賛は少しだと思う。何を言われても、自分の信念を貫いていこうと思っている。ただ、監督になれば、(GM時代より)記者の方々とコミュニケーション取れると思う。誤解がないように、自分の言葉で、自分の気持ちを伝えられるメリットはあると思う。非難はしょうがない。別に褒めてほしいと思ってもいない。このチームを強くして、魅力あるチームにするという最終的な目標に向かって、ぶれずにやっていきたい」(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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