松坂1軍登板なし、バレ期待ハズレ 涌井は3球団最多勝…明暗分かれた移籍組

楽天・涌井秀章(左)と西武・松坂大輔【写真:荒川祐史】

FA移籍組では鈴木大、美馬の活躍の一方で、福田秀は苦戦

2020年のプロ野球も残りあとわずか。パ・リーグはレギュラーシーズンの全日程が終わり、ソフトバンクが3年ぶりにリーグ優勝し、2位のロッテとクライマックスシリーズを戦う。セ・リーグは14日の1試合を残すが、巨人が2年連続のリーグ優勝を決めた。

例年、注目が集まるのは新天地へと移籍した選手たち。今季も、オフの間に所属球団が替わった選手が数多くいた。そういった移籍した選手たちは、今季、どれだけの活躍を見せたのか、見せられなかったのか。その明暗を見ていく。

【FA移籍】
鈴木大地(ロッテ→楽天)
120試合478打数141安打4本塁打55打点 .295

美馬学(楽天→ロッテ)
19試合10勝4敗0S0H 123回 88奪三振 3.95

福田秀平(ソフトバンク→ロッテ)
62試合204打数44安打5本塁打19打点 .216

昨オフはFA権を行使して3選手が新天地へ移った。ロッテから楽天へ移籍した鈴木大地は一時、首位打者を狙えるほどの高打率を残すなど、楽天打線の核として申し分のない活躍。楽天からロッテに移った美馬は防御率こそ3.95だったものの、3年ぶりの2桁勝利をマークした。福田秀は相次ぐ故障離脱で62試合出場、打率.216止まりに終わり、大きな期待には応えられなかった。

人的補償で移籍した楽天酒居、ロッテ小野ともに1軍の戦力に

【FA人的補償】
酒居知史(ロッテ→楽天)
46試合3勝2敗0S12H 44.1回 34奪三振 3.65

小野郁(楽天→ロッテ)
40試合2勝2敗0S4H 39回 32奪三振 3.23

鈴木大、美馬の人的補償として移籍した2選手は、それぞれ1軍の戦力となった。美馬の人的補償として楽天に移籍した酒居は中継ぎとして46試合に登板。鈴木大と入れ替わりロッテに移籍した小野はキャリア最多となる40試合に登板し、成長に繋げた。

【トレード】
涌井秀章(ロッテ→楽天)
20試合11勝4敗0S0H 130回 110奪三振 3.60

中田賢一(ソフトバンク→阪神)
3試合0勝2敗0S0H 10.2回 11奪三振 7.59

金銭トレードでロッテから楽天に移籍した涌井は見事に復活を遂げ、開幕8連勝を飾るなどチームの大黒柱として11勝をマーク。プロ野球史上初となる「3球団最多勝」を達成した。涌井とは対照的にソフトバンクから無償トレードで阪神に移籍した中田は3試合の登板、未勝利に終わった。

楽天ロメロ、阪神スアレスはチームの中心として結果残す

【自由契約など】
松坂大輔(中日→西武)
1軍、2軍共に登板なし

鳥谷敬(阪神→ロッテ)
42試合36打数5安打0本塁打6打点 .139

嶋基宏(楽天→ヤクルト)
20試合41打数4安打0本塁打4打点 .098

ビヤヌエバ(巨人→日本ハム)
54試合168打数37安打4本塁打19打点 .220

ロメロ(オリックス→楽天)
103試合356打数97安打24本塁打63打点 .272

バレンティン(ヤクルト→ソフトバンク)
60試合191打数32安打9本塁打22打点 .168

スアレス(ソフトバンク→阪神)
51試合3勝1敗25S8H 52.1回 50奪三振 2.24

中日から退団して西武に復帰した松坂だったが、今季は1軍登板なし。開幕延期となった3月下旬に右膝に注射を打ち、7月には右手の痺れを解消するために頸椎の手術を受けた。そのままリハビリが続き、3年ぶりに1軍登板なしに終わった。

阪神を退団しロッテに移籍した鳥谷は42試合に出場。当然、全盛期の力はないが、堅実な守備力などで守備固めや代走として終盤まで優勝を争ったチームに貢献した。楽天を離れてヤクルトに加わった嶋だったが、開幕直前に右足を骨折。今季は20試合の出場に止まった。

助っ人勢ではヤクルトからソフトバンクに移籍したバレンティンが期待を裏切る形に。打線の軸として期待されながら60試合で打率.168、9本塁打に終わり、2軍降格も味わった。巨人から日本ハムに移ったビヤヌエバも54試合で打率.220、4本塁打と結果を残せず。

一方でオリックスから楽天に移籍したロメロ、ソフトバンクから阪神に移籍したスアレスは活躍。ロメロは打率.272、24本塁打63打点の好成績を残した。スアレスは開幕直後はセットアッパー、シーズン中盤からはクローザーを任され、3勝1敗25セーブ8ホールド、防御率2.24の成績を残して最多セーブのタイトルを手にした。(Full-Count編集部)

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