ソフトロックダウンの地域拡大 @マレーシア【11月11日/新型コロナウイルス 世界の反応・現地レポ】 新型コロナウイルス 世界の反応・現地レポ

▲ソフトロックダウンは12月6日まで4週間の延長。赤はすでに実施中だったクアラルンプール、セランゴール州、プトラジャヤ。緑の3州を除く全地域に拡大が決まった。

 マレーシアは11月5日、1日の新型コロナウイルスの新規感染者数が過去最大の1775人となった。68%を占める1199人はボルネオ島のサバ州で確認されており、選挙投票で出生地に帰省した人々から感染が拡大したことが、今回の第3波の原因の1つとされる。

▲無期限閉鎖が発表されたマレーシア有数のシネコンチェーン。学校は新年度の1月から再開

 クアラルンプール、セランゴール州、プトラジャヤで実施中の「ソフトロックダウン(CMCO=条件付き活動制限令)」は、12月6日まで延長された。地域も拡大され、プルリス州、パハン州、クランタン州の3州を除き、国内の全地域に適応されることとなった。11月の連休や、12月の公立学校の長期休暇、年末年始と、帰省や旅行の機会が増えることから、感染拡大を食い止める狙いだ。

 学校は、隔週登校や自宅学習などの措置をとる場合が多く、2020年度は小学校から高校までの生徒が、通常の30~50%程度しか登校できていない。2020年は授業を再開しないことが決定され、新学年が始まる2021年1月21日から、一部学年の生徒を対象に、対面授業が開始されるという。教育大臣は「全学年の生徒が学校に戻るのは、2021年3月の見通し」と述べており、時間がかかる見込みとなっている。

 3月のロックダウン以来、政府が定めた「標準運用手段(SOP)」に基づいて、感染症対策が行われる。

 財務省は、2020~2022年までの3年間に「コロナ基金」として、1.1兆円の予算を確保することを発表した。そのうち430億円は、2021年に割り当てられ、主に新型コロナ検査キット、試薬、医療機器、設備投資、医薬品の購入などに当てられる。現在、10万人の医療従事者を対象に、月額1万5000円の特別手当てが支払われているが、1万3000円の一時金の支給も決定した。

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