川崎市が脱炭素戦略 政令市最多排出の現状打開 民間も賛同、50年度実質ゼロ目指す

「かわさきカーボンゼロチャレンジ2050」をアピールする福田市長(右から3番目)と賛同企業などの代表=川崎市川崎区

 川崎市は12日、2050年度の二酸化炭素(CO2)排出量の実質ゼロを目標に掲げた脱炭素戦略「かわさきカーボンゼロチャレンジ2050」を策定した。全国の政令市でCO2排出量が最多という現状の打開に向け、市内の304事業者・団体も賛同。気候変動の影響を踏まえ、市民の行動変容や企業の取り組みを後押しする。民間の賛同を得て自治体が脱炭素戦略を策定した例は国内初という。

 市が18年3月に改定した「市地球温暖化対策推進基本計画」は、CO2排出量の削減目標として1990年度比で「2030年度は30%以上(17年度暫定値算出で年間約1950万トン)」「50年度までに80%削減(同約560万トン)」と設定していた。新戦略は台風の大型化など気候変動の影響が顕在化しているとして、50年度の削減目標を「100%」に引き上げ、30年度の排出目標をさらに100万トン減らし約1850万トンとした。

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