新幹線長崎ルート 財政負担など佐賀に確認 部長級協議 長崎が文書提示

 九州新幹線長崎ルートの未着工区間(新鳥栖-武雄温泉)の整備を巡り長崎県は12日、佐賀県との部長級協議を今月上旬に実施したことを明らかにした。フル規格整備で佐賀県が課題として示している財政負担や並行在来線の在り方など9項目について確認する文書を長崎県は初めて提示したが、具体的な回答は得られなかったという。
 中村法道知事が定例会見で明らかにした。フル規格整備を求めていない佐賀県の山口祥義知事は「新たな提案」があれば中村知事らと面談する意向を示しており、長崎県側は提案に向けて課題を整理する狙いがあったとみられる。
 中村知事と担当課によると、先月下旬の九州地方知事会議で山口知事と同席した際、課題整理の場を設けようと提案。今月5日に長崎県の担当部長が佐賀県の担当部長を訪ね、▽地方の財政負担軽減▽並行在来線の経営分離は受け入れられない-といった点を両県で国やJR九州に働き掛けることなどについて意向を確認。佐賀県議会などで答弁している以上の具体的な回答はなかったという。
 中村知事は「今後も山口知事との面談の機会をいただけるよう努力したい」と述べた。知事はまた北陸新幹線の金沢-敦賀間の建設費が再び「上振れ」したことが長崎ルートの未着工区間の整備論議に影響するかどうかについては「まだ読めない」とした。

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