【新型コロナ】緊急事態中、7割が「練習に制限」 JOCアスリート調査

来夏の五輪へ感染症対策を講じながら動き始めているスポーツ界

 日本オリンピック委員会(JOC)はこのほど、新型コロナウイルス感染拡大によるスポーツ選手への影響に関する調査結果を公表した。4~5月の緊急事態宣言発令中は7割以上が「練習で大きな制限があった」と回答し、あらためて当時の混乱ぶりが浮き彫りになった。今後はコロナ禍で競技を続けるアスリートへの適切な情報提供や心のケア、活動に対する社会的理解も求められそうだ。

 夏季・冬季競技を合わせた強化指定選手などを対象としたアンケートは8月中に実施され、995人が回答した。

 調査結果によると、4月7日~5月25日の緊急事態宣言発令中に「競技・技術練習」で制限を受けた選手は9割超に上った。「場所がなかった」「人目が気になった」が主な要因で、普段から使用する体育館、ジムなど公共スポーツ施設の一時閉鎖が響いて行き場を失った。外出自粛要請により活動しづらい状況も続いていたとみられる。

 人と対面で接する機会が減ったことで「コミュニケーション不足を感じた」と答えた選手が約5割。心的ストレス反応の回答では半数が低い数値を示したが、夏季競技者の2割以上が「心理的苦痛を感じていると思われる」度合いが強いことも明らかになった。大半が工夫を凝らしトレーニングを継続した一方、中には抑うつや無気力感のほか身体的疲労感など、心身に悪影響を及ぼした。

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