ゴーン被告側、請求棄却求める 日産の損害賠償請求訴訟口頭弁論

横浜地裁

 会社資金を私的に流用したなどとして、日産自動車がレバノンに逃亡した元会長カルロス・ゴーン被告=会社法違反(特別背任)などの罪で起訴=に対し、100億円の損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が13日、横浜地裁(浦野真美子裁判長)であった。ゴーン被告側は請求棄却を求めて争う姿勢を示した。

 ゴーン被告側は答弁書で、損害を裏付ける証拠が提出されていないと指摘し、「適切な認否は不可能」と主張。日産側は来年2月の次回弁論までに提出すると応じた。被告代理人の郷原信郎弁護士は閉廷後に会見し、「訴えの大半が刑事裁判の起訴事実に沿った内容。ゴーン氏の行為が犯罪かどうかを含めて反証していく」と説明。ゴーン被告は代理人を通じ、「この訴訟は、日産の一部経営者による悪意ある社内調査と検察の不当な逮捕・起訴の延長だ」とする声明を出した。

 日産も「一連の不正行為に関する真実が判決により明示されると期待している」とコメントを発表した。

 日産は昨年9月に公表した社内調査で、ゴーン被告と元代表取締役グレゴリー・ケリー被告=金融商品取引法違反の罪で起訴、公判中=による不正は、総額350億円以上に上ると算定している。

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