【新型コロナ】病床使用率、5都府県で「ステージIII」越える

 厚生労働省は13日、毎週金曜日に公開している「都道府県の医療体制の状況」の最新版を公表した。毎週水曜日までのデータを集計しているもので、今回は11日までの状況となる。それによると5都府県における病床使用率が「ステージIII」の基準を上回ったほか、他の道府県でも基準に近づいており、改めて「第3波」の感染爆発が懸念される状況であることが分かった。

沖縄、兵庫、大阪、埼玉、東京で病床使用率25%越える

 厚生労働省は毎週各自治体からの報告を受け、水曜日までのデータを金曜日に公表している。さきほど公開されたのは11日までの状況で、病床使用率をはじめとした「病床の逼迫具合」「療養者数」「陽性率」「直近1週間の10万人あたりの陽性者数」「直近1週間とその前の週の差」「感染経路不明者の割合」の6指標。これらが政府の対処方針を決める指標となっている。

 それによると、病床の逼迫具合を示す病床使用率に関しては、上から順に沖縄(36%)、兵庫(34%)、大阪(33%)、埼玉(29%)、東京(27%)の5都府県が、政府が強制力を伴う対処を行う基準となる「ステージIII(25%)」を越えていることが分かった。また青森(24.9%)、北海道(24%)、岡山(23.6%)、愛知(23.3%)、奈良(20.6%)、静岡(20.3%)でも20%を越えており、今後の医療体制維持に懸念が広がっている。

北海道は「ステージIII」の基準を軒並み上回る

 今回の発表で改めて分かったのは、北海道の感染拡大の勢いだ。病床使用率はかろうじて「ステージIII」の基準を下回っているが、そのほかの指標である療養者数(22.1%)、陽性率(10.7%)、直近1週間の10万人あたりの陽性者数(23.89)、直近1週間とその前の週の差(2.16)、感染経路不明者の割合(53.4%)が軒並み上回っている。全国的には強制力を伴う措置を断行するには時期尚早ともいえるが、北海道に関しては11日時点ですでに危機的な状況であることが分かる。今後さらに状況の悪化が予想されるだけに、札幌市、北海道、政府のより早急かつ強力な対応が求められる情勢と言えるだろう。

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