バリアを破った女性たち ナックル姫・吉田えりの名前も

日本時間11月14日、キム・アングがマーリンズのゼネラルマネージャー(GM)に就任することが決定し、メジャーリーグ史上初となる女性GMが誕生した。メジャーリーグ公式サイトでは「キム・アングは歴史を作った」とアングを祝福する一方、「女性はこれまでにも球界のバリアを破ってきた」として過去に球史に名を刻んだ女性たちを紹介。メジャーリーグ史上初の女性コーチとなったアリッサ・ナッケン(ジャイアンツ)のほか、「日本初の女性プロ野球選手」として「ナックル姫」こと吉田えりの名前も登場する。

アングは女性としては史上初、アジアにルーツを持つ人物としてはドジャースGMのファーハン・ザイディに次いで史上2人目のGMとなった(アングは中国、ザイディはパキスタンにルーツを持つ)。また、北米のメジャーな男性プロスポーツチームで女性がGMを務めるのは史上初であると考えられている。これまでにメジャーリーグのコミッショナー事務局のほか、ホワイトソックス(1990~96年)、ヤンキース(1998~2001年)、ドジャース(2002~11年)の3球団でフロントオフィスの一員として働いた経験がある。

ナッケンは今年1月にジャイアンツのゲーブ・キャプラー監督のコーチング・スタッフに加入。「メジャーリーグ・アシスタントコーチ」の肩書を与えられ、女性がメジャーリーグのチームでフルタイムのコーチを務めるのは史上初の快挙となった。2019年シーズン終了後にはヤンキースがレイチェル・バルコベック、カブスがレイチェル・フォールデンをマイナーのコーチとして採用。メジャーリーグの球団組織におけるフルタイムのコーチはこの2人が史上初であると考えられている。

吉田は「日本初の女性プロ野球選手」として、ナックルボーラーであることや2009年に神戸9クルーズでプレーしたあと、アメリカの独立リーグでもプレーしたことなどが紹介されている。ジェシカ・メンドーサがメジャーリーグの全国放送(ESPN)で解説者を務めるなど、球界における女性の活躍の場はどんどん広がっており、アングのGM就任も多くの球界関係者から祝福の声が上がっている。

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