長崎嚥下食デザートコンテスト 花村さんきょうだいグランプリ スプーンでふわっとシースケーキ

「スプーンでふわっとシースケーキ」を紹介する花村さんきょうだい=長崎市東公民館

 加齢や病気で食べ物などを飲み込む機能が低下する嚥下(えんげ)障害がある人でも食べやすいデザートのアイデアを競う第1回長崎嚥下食デザートコンテストが8日、長崎市内であり、「スプーンでふわっとシースケーキ」を考案した五島市の管理栄養士、花村衣咲(いさき)さん(24)、県立川棚高3年の花村海翔(かいと)さん(18)きょうだいがグランプリを受賞した。
 医療や福祉、食品製造関係者らで組織する「ゆめカステラプロジェクト」(三串伸哉代表)が主催。食べ物が気管に入って起きる誤嚥性肺炎の原因になる摂食嚥下障害に関心を持ってもらおうと2017年に発足し、啓発活動に取り組んでいる。
 初めてのコンテストには、県立島原農業高や県立口加高、県立大生ら5個人・組が出場。3時間50分の調理時間で食べやすさ、味、見た目などを工夫したケーキなどを完成させ、約3分間のプレゼンテーションでレシピや思いを発表した。
 衣咲さん、海翔さんきょうだいの「スプーンでふわっとシースケーキ」は、スポンジ生地を牛乳とゼラチンを混ぜた液に浸して軟らかくし、黄桃とパイナップルはミキサーでペースト状にしてゼラチンで固めた。
 衣咲さんは、嚥下機能が低下して誤嚥性肺炎で亡くなる高齢者が多いことを踏まえ、「嚥下食を一般の人に知ってもらう機会が少ない。こういう場を増やして家庭でも嚥下食が広がっていけば」と受賞の喜びを語った。
 準グランプリは「あじさいもち かんざらし風」を作った県立大看護栄養学部4年の宮城奈々さん(24)が受賞した。

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