累計感染者数1万人超え 神奈川、東京・大阪に次いで 全世代にまん延

県内の日別感染者数の推移

 新型コロナウイルスの県内での累計感染者数が14日、1万人を超えた。同日の新規感染者数は過去最多と並ぶ147人となり、3日連続で140人を超えるなど11月初旬から増加ペースが加速。県は14日に約2カ月ぶりとなる対策本部会議を開き、医療機関に受け入れ病床の拡大を要請する「医療アラート」を初めて発動した。

 累計感染者数が1万人を超えたのは東京、大阪に次いで3番目。全国的に「第3波」の到来が指摘されており、県内も急拡大の傾向にある。10月はほぼ4人台で推移していた人口10万人当たりの新規感染者数は、今月12日までの週平均で7.92人となり約2倍に膨らんでいる。

 14日の対策本部会議で、県医療危機対策統括官の阿南英明(あなん・ひであき)氏(藤沢市民病院副院長)は「寒冷・乾燥という季節性の問題で、ウイルスに対する感染防御性は低下してしまう」と指摘。流行指標を表す4段階の基準で現在はステージ2(漸増)だが、「今のペースだと12月初旬にステージ3(急増)に達する」との見通しを示した。

 黒岩祐治知事は会議後、ステージ3に移行した場合の休業要請など経済活動の制限について「国の動向を見ながら対応したい。ステージ3になったら自動的に休業要請とは考えていない」と記者団に説明。感染経路は多岐にわたるとし、マスク着用など感染防止対策の徹底と加湿器の有効活用を呼び掛けた。

 県によると、感染経路不明の割合は49.4%(13日現在)と依然として高水準で、年代別では全世代にまん延。11月は14日時点で30代までが41.2%、40~50代が28.4%、60代以上は30.2%と重症化しやすい高齢者の感染も増えている。月別の感染者数が最も多かった8月(2475人)は30代までが52.2%を占め、60代以上は19.0%だった。

 県内初の感染確認は1月16日で、国内初の感染事例だった。

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