「世界で必要な存在に」長崎歴史文化博物館15周年 館長ら記念講演、シンポも

パネル討議で意見を交わす(左から)水嶋館長、藤氏、島谷館長、小坂館長=長崎市、長崎歴史文化博物館

 長崎歴史文化博物館(水嶋英治館長)の開館15周年記念講演・シンポジウムが14日、長崎市立山1丁目の同館であった。2005年の開館からそろって15周年を迎えた同館、県美術館(小坂智子館長)、九州国立博物館(島谷弘幸館長)の各館長らが登壇。水嶋館長は「課題に向き合い、地域や長崎、日本、世界にとってなくてはならない存在になるよう努力したい」と述べた。
 これまでの運営を振り返り、今後の各館の在り方などを考える企画。館長3人と、県職員として長崎歴文博や県美術館の整備を担当した藤泉長崎自動車監査役が講演した。
 「文化遺産継承の責任と重み」をテーマに話した水嶋館長は、長崎歴文博が長崎奉行所跡地に立地していることを紹介し、同奉行所が1673年に設置されてから350年近くの歴史の重みがあると強調。「過去から伝わった歴史資料と文化を守り、次世代に継承していくことが県市、(長崎歴文博を運営する)指定管理者の責任」と話した。
 4人によるパネル討議もあった。二つの世界遺産を抱える本県のまちづくりについて、藤氏は「地方創生が叫ばれる中、地域間競争もやる気合戦になってきた。長崎が生き残るために『文化』は大きなキーワード。その中で美術館、博物館は極めて大事な施設として位置付けられる」と指摘した。

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