台風接近時、ドラッグストアでカップ麺より売れた食品とは?

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日本付近では1年に平均約26個の台風が発生し、例年、そのうちの2~3個は日本に上陸します。世界的に見ても、それだけ台風被害を受けやすい国なのです。

台風の接近が予想されるときに万全の備えをしていただくために、その一助となるデータを今回ご紹介します。


今年9月の台風10号のデータを分析

例年2~3個が日本に上陸する台風ですが、今年(2020年)は10月末時点で1つもありません。今年も残すところあと1か月余り。台風シーズンはピークを過ぎており、2008年以来12年ぶりに日本への台風上陸数0の可能性が高まっています。

だからといって今年、台風による影響や被害が全くなかったかというとそうではありません。9月5日~7日、台風10号が日本に上陸こそしませんでしたが、九州、沖縄地方を中心に記録的な風や雨をもたらしました。

この台風10号、当初は特別警報級の勢力での接近あるいは上陸が予想されていました。6日~7日は九州地方の多くの地域で交通機関が計画運休し、小売店舗が営業を取りやめるなど最大級の警戒レベルでの対応がとられました。

このため、主に九州地方にお住いの多くの方々が、台風接近に向けて万全な準備をされていたと考えられます。未曾有の台風接近が予想されたとき、ドラッグストアにおいて消費者がどのような商品を購入して備えていたのか、当社の購買データで調査しました。台風接近時にストックしておきたい商品のご参考にされて下さい。

1位の商品は前月の14倍も売れた

9月4日及び5日に指数が大きく上昇した上位10カテゴリをリストアップしました。これらは日常の生活・食事用とは異なり、台風接近に備えて特別に購入されたものの一覧とみなすことができます。ドラッグストアという業態ではありますが食品ばかりのランキングになりました。そして、缶詰、カップ麺、調理済みカレー(レトルトカレー)など、いわゆる即席食品といわれるものが上位を占めています。

最も指数が高かったのは「畜産缶詰」

購買データを調査したところ、9月4日~5日の購入個数を示す指数が最も高かったカテゴリは畜産缶詰で、5日の指数(8月1か月間の日平均購入個数を1としたときの数値)は14.9でした。

「畜産缶詰」とは、例えば焼き鳥やコンビーフ、ランチョンミートなどのカテゴリです。ここで気をつけなければならないのは、台風接近によって消費者の注目を集めたカテゴリであることは確かなのですが、普段の購入個数規模がそれほど大きくない場合は購入個数の微増でも、指数が大きくなりがちということです。

畜産缶詰の1日平均購入個数は、今回リストアップした中での最大だったカップ麺と比較すると100分の一程度です。とはいえ、台風に備えて準備しておきたいカテゴリであることに間違いありません。

「畜産缶詰」の多くは、調理しなくても、開けてそのまま御飯のおかずになります。万が一、台風の影響で電気やガスなどの供給が止まってしまっても大丈夫なように買い置くには好適な商品ということができるでしょう。

ペットフードも用意しておきたいカテゴリ

購入指数ランキング10位以内には入りませんでしたが、番外編として注目カテゴリを紹介します。それはペットフードです。

普段からある程度の購入個数があるため、指数自体はそれほど高くありませんが、犬フード、猫フードも、台風接近に伴い指数がやや高くなる傾向(9月4日に猫フードの購入指数:約1.6)がありました。台風に備えて食品を買いだめしておきたいのは、人間向けのものだけはありません。ペット用の食料も生活在庫(家庭内での常備在庫)を確保しておきたいものです。

白飯に足すものも売れた

ランキングに掲載されている「まぜ御飯の素」と、トップ10圏外ではありましたが「ふりかけ」は、ともに白飯に足すものという同じ購買目的で括ることができます。

買物に出られない期間が続くと、コロッケ、天ぷらといったお惣菜や刺身類などのおかずはなかなか食卓に並びにくくなることでしょう。惣菜のおかずがあまり用意できない場合に備えてこれらのカテゴリが多く購入されるものと考えられます。

日用消耗品の残量チェックも忘れずに

今回、食品だけでなく、日用品の中でも台風接近に伴って購買数が大きく増加したカテゴリを調べましたが、指数の大きな変化を示したものはあまりありませんでした。その中でシャンプーとアルミホイルが少し高めの指数を示しました。

これら日用消耗品は、雨や雪などで家の中に居ることが多いとき消耗速度がアップするため購入個数が増えることがあります。台風接近中であれば、より家にいる時間が多くなるため、一層消耗が進み、在庫補充のための購買につながることでしょう。

ちなみに、ヘアトリートメント・パックやラッピングフィルムなども指数はやや高めですが、台風接近に備えた指数上昇かは判然としませんでした。台風の影響で数日買物に行けない場合に備えて、家の中での消耗品の残量、在庫状況を確認しておき、残り少ないものについては買っておくと安心です。

気象庁は5日先までの台風の進路を発表

気象庁では今年9月から、台風に発達する前の熱帯低気圧の段階であっても、向こう5日先までの予想進路を発表するようになりました。以前は熱帯低気圧の進路予想は発表されなかったため、日本のすぐ近くで台風が発生した場合は予想される進路が分かりづらかったのですが、それが改善されています。台風やそれに準じる荒れた天気はほぼ、数日前にはその可能性を捉えることができるようになりました。

台風最接近直前のぎりぎりのタイミングで、台風に備えるためのこれら商品の買い物に出かけると、需要の急激な集中によりお店で品切れすることも考えられます。また天気が荒れるリスクも高まります。

台風・熱帯低気圧の5日先までの予想進路情報を参考にしながら、早めに用意して万全の備えをしておくと良いでしょう。結果的に台風による被害がほとんどなかった場合でも、買った商品が無駄になることはありませんから。

※今回、データは九州・沖縄地方に所在するドラッグストアでの商品の購入個数を主に用いました。購入個数の季節性などの影響をある程度考慮しながら台風接近にあわせて購入個数が増加したカテゴリを特定するため、各カテゴリにおいて8月1か月間の日平均購入個数を1とし、その割合(購入指数)で示しています。