人形浄瑠璃「湘南座」30周年で記念公演 継承へ決意新た

一人遣いの人形浄瑠璃を披露した「湘南座」の公演=平塚市中央公民館

 平塚で一人遣いの人形浄瑠璃芝居を伝承する「湘南座」が創立30周年を迎え、15日に平塚市中央公民館(同市追分)で記念公演を行った。

 湘南座は、従来3人で操っていた人形を1人で操る「大阪乙女文楽座」の流れをくむ一座。同座から指導を受けた神奈川県立高浜高校(同市高浜台)などの卒業生の活動の場をつくろうと、元同市収入役の故平野博さんが1990年に創立した。姉妹都市の米ローレンス市など市内外で公演してきたほか、同校での指導も継続している。

 記念公演では、代表的演目「義経千本桜~道行初音(みちゆきはつね)の旅」を披露。源義経の後を追う静御前と、子狐が化けたお供の佐藤忠信が互いに励まし合い、再び旅を続ける物語を、息の合った芝居で演じた。

 宮川利男座長は公演後、「多くの支えがあってこその30年。この伝統芸能を次代につなぐため、研さんに励みたい」とあいさつし、決意を新たにしていた。

 記念公演は「ひらつか民俗芸能まつり」と共催で行われ、高浜高文楽部と三人遣いの人形浄瑠璃「相模人形芝居前鳥座」や、囃子(はやし)太鼓の「入野太鼓保存会」と「田村ばやし保存会」も出演。平塚市内に伝わる多彩な伝統芸能を披露した。

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