「自閉症」寄り添い半世紀 「やめなさい」より「どうしたの?」 高齢で講演一区切り

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長年、自閉症の子どもとその親の支援を続けてきた歩みを語る高木さん(京都市左京区)

 自閉症の子どもとその保護者たちへの助言、指導を続けている京都女子大名誉教授高木徳子さん(82)=京都市北区=が、左京区での講演会で、半世紀以上にわたる取り組みへの思いを語り、「自閉症の方々にいっぱい愛と勇気をいただき、今の私がある」と感謝を伝えた。高齢を理由に「これが最後」の思いで臨んだ講演だが、出席者からは「これからも続けて」とエールが送られた。

 高木さんは同大学で児童学を学び、1965年に大学が新設した発達クリニックで自閉症に触れ、研究の道へ。自閉症、知的障害の子や青年が、キャンプや旅行を通じて社会への適応力を養う活動に力を注いできた。2003年に大学退職後、京都女子大学OG発達支援研究所を設立したが、体力の衰えを感じたことから、講演活動は一区切りさせることにした。

 講演会は、理事を務めるNPO法人「冒険キャンプ実行委員会」の催しで、18日に行われた。会場の左京区大原のグラウンドには、関係者や大学の卒業生ら約100人が集まった。

 高木さんは、きょうだいが結婚を控えた自閉症の子をスタッフの結婚式に招いたり、テーマパークで障害者の優先パスを使わず、他の入園者と行列に並んだりした経験談を披露した。「あとに『いいこと』が控えていることがわかれば行儀良く待てる」、「『やめなさい』ではなく『どうしたの?』と声をかける姿勢で」など、実践から得た気づきを語った。

 これまで活動に携わった多くの関係者にも感謝を述べながら、最後に保護者たちに「子どもたちは優しく育ててほしい。そうすれば優しく、いろんなことを受け入れられる子に育ちます」と語り掛けて、締めくくった。

 講演後、実行委の出店知之代表が「先生は『これが最後』と言われたが、次のステージへ向かう節目にしてほしい。また言葉を聞くことがみんなの励みになる」と呼び掛けると、賛同の大きな拍手が沸き上がった。