奈緒、小手伸也とろう者の俳優が“謎解き”に挑む新感覚ドラマが誕生

NHK Eテレでは、奈緒と小手伸也、そして実際に耳が聞こえない“ろう者”の俳優たちが、今注目の“謎解き”に、全く新しい角度から挑む新感覚エンターテインメントドラマ「謎解きドラマ Lの招待状」(午後8:00)を、12月14・15日に2夜連続放送。また、NHK総合では、12月27日(午前9:00)に、前・後編を一本化した特別版として放送する。

これまで耳が聞こえない“ろう者”が登場するドラマの多くは、聞こえる俳優と制作者によって作られてきたが、本作は、企画の段階から謎やストーリーの制作にさまざまな世代のろう者が加わり、ろうの役を演じる俳優も、ろう者が担当。これまでにない新たな作品に仕上がっている。

物語は、ある日、世界的アーティスト“L”の館に集められた、耳が聞こえない“ろう者”と聞こえる“聴者”の6人で展開。謎解きを条件に、その財産が与えられると聞き、早速挑み始めるメンバーだが、声が聞こえない“ろう者”と、手話が分からない“聴者”に、コミュニケーションの壁が立ちはだかる。伝わらないいら立ち、ようやく伝わった時の喜び。6人は財産を手に入れられるのか。

「今回のドラマは、本当に新しいドラマができたんじゃないかなと思っています」と胸を張る奈緒は、「実際に役者陣もろう者の方3人、聴者3人という空気の中で、お互い分かり合おうとするところや、戸惑うところの空気感は、時にリアルさがにじみ出ていると思います。同じ目標にみんなが向かっていく時にぶつかる衝突や、それでも謎が解けた時の爽快感などを、見ている人が一緒に追体験して楽しんでくださったらと思います」とコメント。

小手は「初めての試みなので、ワクワクして臨みました。こちらのしゃべり出しをろう者の皆さんが分からなかったり、手話の終わりをこちらが分からなかったり、これまで何げなくやってきた対話のあり方一つ一つにあらためて新鮮な気付きを見つけられて、すごく刺激的でした」と撮影の感想を話し、「自分は実際に手話ができず、かつできない役柄だったので、ある意味セミドキュメンタリーとして、ろうの俳優の方々とコミュニケーションを取りながら、最後に仲よくなっていく感じが、リアルに伝わったらと思います」と見どころを伝える。

そして、「異言語Lab.」代表理事であり、今回の謎とドラマの制作協力者で、自身がろう者の菊永ふみ氏は「ろう者(手話を言語とする者)と聴者(聞こえる者)は、同じ人間ですが、この二つの世界は言語も世界も違います。その違いからコミュニケーションや意思疎通ができなくなったり、伝えられない焦燥感が募ったり、その上で伝わったという喜びや達成感、さまざまな感情が生まれていきます。そんな、異なる人と向き合うことの面白さ、意味や気持ちが伝わったらと思います」とメッセージを寄せている。

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