ペルー大統領、就任5日後に辞任 抗議デモで死者

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南米ペルーのマヌエル・メリノ暫定大統領(59)は15日、辞任を発表した。マルティン・ビスカラ前大統領(57)が汚職疑惑で罷免された後に就任したが、各地で抗議デモが起こって死者も出て、わずか5日で退陣することとなった。

メリノ氏は15日のテレビ演説で、「私が辞任することを、国中に伝えたい」と述べた。

ペルーの国会議長だったメリノ氏は10日、ビスカラ前大統領の後任として暫定大統領に就任したばかりだった。ビスカラ氏の本来の任期が終了する2021年7月まで大統領職にとどまる見込みだった。

しかし、デモ参加者に対する暴力的な取り締まりなどを理由に、メリノ氏の辞任を求める声が議員らから上がっていた。

15日にはメリノ氏の辞任に先立ち、任命されたばかりの閣僚12人が、警察による残虐行為やメリノ氏の危機的状況への対応に抗議して辞任した。

議会は15日、メリノ氏の後任の政権について協議したが、作家で元人権活動家のロシオ・シルバ・サンティステバン氏率いるチームを拒否した。

なぜ抗議デモが起きたのか

2018年3月の就任以来、ビスカラ前大統領は少数野党が乱立する議会との苦しい戦いに巻き込まれてきた。

ビスカラ氏をめぐっては、南部モケグア県知事時代に230万ソル(約6700万円)の賄賂を受け取った疑惑が浮上。本人はこれを否定しているが、9日の議会で罷免された。

ペルーではここ数日、ビスカラ氏の罷免に反対する大規模な抗議が続いた。参加者の多くは若者だ。

抗議者たちは、議会がクーデターを企てたと非難している。政治改革を試みていたビスカラ氏は多くの有権者の間で継続的な支持を獲得してきた。

14日の首都リマでの抗議は概ね平和的に行われたが、夜になると警察と抗議者の衝突が発生した。

報道によると、警察は繰り返し催涙ガスや散弾銃を使ってデモ隊を撃退した。デモ隊の一部は花火や石を投げた。

そうした中、22歳と24歳の学生2人が死亡した。

ペルーでは、新型コロナウイルスのパンデミックによる景気低迷が深刻化する中、政治的危機の拡大が懸念されている。

同国はラテンアメリカでいち早く最も厳格なロックダウンを敷いたが、今も感染者数が急増している。これまでに93万4899人の感染と、3万5177人の死亡が確認されている(米ジョンズ・ホプキンス大学の集計、日本時間16日午後3時時点)。

(英語記事 Peru's new president resigns after protest deaths